Liqueur & Cocktail

カクテル入門 3.知っておきたいスタンダードカクテル ベース別2

こちらもバーで人気の高いカクテルをベース別にいくつかご紹介する。ウイスキー&ソーダ、ブランデー&ソーダなどのハイボールはすでによく飲まれているのでリストアップしていない。

ウイスキーベースのカクテル

God-Father ゴッドファーザー/ロング(ロック・タイプ)、ビルド
映画『ゴッドファーザー』公開にちなんで生まれたカクテル。ウイスキーにシチリア産の杏(あんず)の核を使って生まれたリキュール、ディサローノ・アマレットをミックス。アーモンドのような、杏仁豆腐のような、独特のエキゾチックな甘味を抱いた、まろやかな味わい。

Irish Coffee アイリッシュ・コーヒー/ロング、ビルド
アイリッシュウイスキーをベースにしたホットドリンク。赤ざらめの砂糖かコーヒーシュガー、そして濃いめのホット・コーヒー。さらに生クリームをフロートさせる。寒い日に身体を温めるには最適のカクテル。

Manhattan マンハッタン/ショート、ステア
19世紀半ばから愛され、"カクテルの女王"と呼ばれる。ライウイスキーかバーボンウイスキーがベース。スウィート・ベルモットにアンゴスチュラ・ビターズを微量加える。アルコール度数は高めで、キリッとした切れ味に柔らかい甘さが漂う。添えられたチェリーを口にしながら飲むと、ふくよかな甘味が増す。

Mint Julep ミント・ジュレップ/ロング、ビルド
ミントの香りが爽やかなロングドリンク。バーボンウイスキー、シュガー、水(またはソーダ水)、そしてミントの葉が材料。ミントの葉の香り立ちを愉しみながら、ゆったりとした心地よい時間を過ごせる。

Rusty Nail ラスティ・ネール/ロング(ロック・タイプ)、ステア
"さびた釘"だが、古めかしいという隠語でもある。歴史の古いドランブイというスコッチウイスキーをベースにハーブやハチミツをブレンドしたリキュールと、ウイスキーの1対1のシンプルなレシピだ。どこか懐かしい柔らかな甘さが特長的。

ブランデーベースのカクテル

Alexander アレキサンダー/ショート、シェーク
カカオリキュールと生クリームを加えるので、口当りのいいクリーミーな味わい。食後酒として最適。女性向き。19世紀半ば、英国王エドワード7世とアレキサンドラ妃の婚礼記念に王妃に捧げられ、当初は女性名"アレキサンドラ"で呼ばれていた。

Brandy Sour ブランデー・サワー/ロング、シェーク
芳醇なブランデーの風味にレモンジュースの酸味がほどよく調和して、香り、口当りとも心地よい。 ブランデーを嗜んだことのない人は、まずはサワーで親しんでいただきたい。好みでソーダを加える場合もある。

Horse's Neck ホーセズ・ネック/ロング、ビルド
ブランデーをジンジャーエールで割るだけのシンプルなカクテル。だが"馬の首"という名だけにグラスの飾り付けが凝っている。レモンの皮をらせん状にむいて馬の首に見立てている。アルコール度数も高くなく、甘い口当りで飲みやすい。

Jack Rose ジャック・ローズ/ショート、シェーク
リンゴからつくられるフランス産のブランデー、カルバドスの果実味に、ライムジュースの酸味、グレナデンシロップの甘味が芳しいメロディーを奏でる。赤いバラ色の鮮やかな色調も麗しく、華やかさがある。

Side-Car サイドカー/ショート、シェーク
いつの時代も人気が高いカクテル。ブランデーのふくよかな甘味に、オレンジリキュールとレモンジュースの酸味がバランスよく馴染んだ、上品な風味が特長。はじめて試す人は、カクテル名と味わいのギャップに驚く。誕生説はいくつかあるが決め手がない。

ワインベースのカクテル

Bamboo バンブー/ショート、ステア
日本生まれの世界的カクテル。明治時代の横浜、創業まもないホテル・ニューグランドのバーテンダーでアメリカ人のルイス・エッピンガーが考案した。イメージは日本の美、"竹"。ドライ・シェリーと白ワインにハーブ類を浸漬したドライ・ベルモットのワイン同士のミックス。それに微量のビターズを加える。すっきりとしなやかな辛口。

Bellini ベリーニ/ロング、ビルド
イタリア、ベネチアのハリーズ・バーで1948年に考案され、たちまちにして世界的カクテルとなった。スパークリングワインの爽やかさにピーチ(ピーチ・ネクターでもよい)のフレッシュ感がそよぎ、上品で華やかな甘さが特長。グレナデンシロップを微量加えるので薄いピンク色となる。

Kir キール/ロング、ビルド
第2次世界大戦後、フランスはブルゴーニュのディジョン市のキール市長が農業振興策として、辛口白ワインとカシスのリキュールをPRするために誕生した。香りと甘味がエレガントで、ワインカクテルの代表格といえる。白ワインをシャンパンに代えるとキール・ロワイヤル。

Mimosa ミモザ/ロング、ビルド
色調が黄色っぽいミモザの花に似ていることから名が付けられたようだ。シャンパンにオレンジジュースのシンプルなレシピ。冷たくて涼やかで口当りがいい。

Spritzer スプリッツァー/ロング、ビルド
19世紀はじめにはすでにポピュラーなドリンクだった。ドイツ語のシュプリッツェンが語源。 "はじける"を言う。白ワインをソーダで割るので、5度くらいのアルコール度数。爽やかで極めて飲みやすい。故ダイアナがチャールズ皇太子と婚約したときに「スプリッツァーをよく飲む」と発言し、世界的なブームとなった。

ビールベースのカクテル

Mint Beer ミント・ビア/ロング、ビルド
ビールとペパーミントリキュールでつくる。緑色の爽やかな口当りだが、ペパーミントリキュールによりビールの泡立ちはほぼ消えてしまうので、一見、ビールカクテルとは思えない。

Shandy Gaff シャンディ・ガフ/ロング、ビルド
ビールとジンジャーエールを同量入れる、イギリスで古くから飲まれているカクテル。ほろ苦いビールとジンジャーエール独特の甘味の相性がいい。フランスでは透明炭酸で割るパナシェ(混ぜ合わせたの意)がある。

Red Eye レッド・アイ/ロング、ビルド
飲み過ぎた翌朝の"赤い目"をイメージ。迎え酒として飲む人もいる。レシピではビールとトマトジュースを同量だが、自分の好みで調整するとよい。ビールカクテルはアルコール度数が低く、レッド・アイは3%くらい。

リキュールベースのカクテル

Grasshopper グラスホッパー/ショート、シェーク
"バッタ"というカクテルで、仕上がりの色調が似た緑だから命名されたという話がある。カカオとミントのふたつのリキュールに生クリームを加えてシェーク。まろやかながら爽やかな風味で、食後酒として最適。

Kahlua Milk カルーア&ミルク/ロング、ビルド
メキシコ高原地方のアラビカ種の豆を使った、バニラ風味豊かなコーヒーリキュール、カルーアをミルクで割る、とてもポピュラーなカクテル。

2.知っておきたいスタンダードカクテル

  • ベース別1 ウオツカ、ジン、ラム、テキーラ
  • ベース別2 ウイスキー、ブランデー、ワイン、ビール、リキュール
  • シーン別 食前、食後、オール・デイ・タイプ

カクテル入門

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