サントリー ワイン スクエア
シャトー ラグランジュの桜井楽生です。
気候変動によって毎年暑くなる一方かと思っていたところ、2024年は打って変わって涼しかったボルドー。ここ数年、ラグランジュでは8月末から白ワイン用ぶどうの収穫が始まるのが通例だったのですが、今年は9月2週目まで収穫は始まりませんでした。気温が低く、ぶどうが熟すのが遅かったのです。
今年はとにかく雨がたくさん降りました。1~7月は、なんと平年の1.5倍。春は気温が比較的高く、芽吹きは早かったのですが、その後5月からはずっと気温は低めで推移しました。ぶどうの枝葉が成長する間は湿度が高かったこともあり、ベト病の発生を防ぐためにワイン生産者たちは多くの時間をぶどう畑での作業に費やしました。ラグランジュも例外ではありませんでした。私たちの畑では、病気にかかりやすいメルロで僅かにベト病が発生したものの、全般的には非常に良い状態でここまでたどり着くことができました。特に、ラグランジュの命とも言えるカベルネ・ソーヴィニョンはすばらしい状態を維持しています。
8月以降はほとんど雨が降らず、熱波が来た週もあったおかげでぶどうの成熟は遅れながらも順調に進んでいます。天気予報ではこの後も好天が続きそうなので、じっくり成熟を待ちたいと思います。
さて、今日はラグランジュに加わった新たな仲間を紹介します。名前はメアリ(Méhari)と言います!彼女は、この秋から始まる新しい見学プランを担当するためにやってきました。力持ちの彼女は3人のお客様を乗せて、敷地の中を走り回る電気自動車です!
敷地面積157ha、ぶどう畑118haを有するラグランジュですが、メアリと一緒なら1952年に植えられた最高樹齢の区画、サンジュリアン最高標高の区画、最高品質のワインを生み出す区画等、ラグランジュの品質の秘密を存分に味わってもらうことができます。また、サントリーグループとなった1983年以来「人と自然と響き合う」のビジョンを掲げて率先して取り組んできた、環境保護、生物多様性保護の活動についてもこのツアーではご紹介します。機会がありましたら、ぜひメアリと一緒に私たちのテロワールをより深く探索してみて下さい!
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桜井楽生(さくらいらくさ)
登美の丘ワイナリー醸造責任者(2009~2012)、ボルドー大学研究員(2012~2015)、ワイン生産研究本部課長を経て、2020年よりシャトー ラグランジュ駐在。2022年より副社長。ワイン醸造技術管理士(エノログ)