サントリー ワイン スクエア
1989年愛知県生まれ。同志社大学在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、2014年にソムリエ資格を取得。2017年「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。2018年「第4回A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」優勝。2023年「第17回 A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」5位。2019年よりサントリーワイン・ブランドアンバサダー。京阪グループのフラッグシップホテルTHE THOUSAND KYOTOのシェフソムリエを務める。いま日本で最も注目されるソムリエの一人。
2023.09.29記事: 岩田渉(アンバサダー)
皆様、こんにちは!サントリーワイン・ブランドアンバサダーのソムリエ 岩田です。
今回は先日大きなニュースになりました、デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2023にて日本ワインで唯一の最高位プラチナ賞を受賞した、「サントリーフロムファーム 登美の丘 甲州 2021」のご紹介です。つい先日(9/12)にさらに上級の特別キュベである「ワインのみらい 登美の丘 甲州 キュベスペシャル2021」も同時発売になりました(キュベスぺシャルはワイナリーショップ及びFROM FARM公式オンラインショップでの限定販売、生産量500本)。
甲州の畑での筆者
これらの甲州はどれも自家ぶどう園「登美の丘」の地で育てられた甲州からつくられており、収穫時にもぶどうの房単位で選別、収穫、そして仕込みも分けるなど、かなり緻密につくられたワインとなっております。
特に近年は、畑で様々な取り組みが行われ、最高品質の「甲州」の実現を目指しております。例えば、1本の樹のぶどうの房数を減らし、その分残った房に栄養を集中させる事でエネルギーの凝縮を狙う、長年の経験で培った目利き力でぶどうの樹々一つ一つのポテンシャルを見極めながら栽培する、などです。そのようなアプローチが少しずつ実を結び、熟した果実の多層的な香りを持ち、心地よい凝縮感に富んだワインができるようになってきたようです。
甲州の畑での栽培担当の潮上(左)と栽培責任者の大山技師長(右)
先日登美の丘ワイナリーに訪問してきましたが、そのような取り組みを肌で感じるとともに、つくり手の皆様の絶え間ない努力がこのような形でワインの中に表現されているのをテイスティングしながら実感することで、なんとも言えないような感動的な気持ちになったことを覚えています。
私自身もサントリーワイン・ブランドアンバサダーとなり5年の月日が流れて参りました。もちろん毎年サントリーの甲州ワインをテイスティングしておりますが、年々それらワインの品質が上がるだけでなく、ワインの「precision」つまりは「緻密さ、精密さ」がどんどん磨かれていると思います。焦点があった味わい、というべきでしょうか?それぞれの要素がしっかりとまとまり、素晴らしいハーモニーを愉しむことができます。甲州らしい品種個性、そして「登美の丘」らしい気品が感じられ、つくり手の情熱が沢山詰まった「登美の丘 甲州」。是非この機会に手に取ってみてください。
DWWA2023で日本ワイン唯一のプラチナ賞に輝いた登美の丘 甲州 2021
「サントリーフロムファーム 登美の丘 甲州 2021」
登美の丘ワイナリー自園の甲州の8つの区画からブレンドされたキュベ。
9/27~10/29まで約1ヶ月に渡り、区画ごとに収穫日を見極めて収穫されており、「Precision=緻密さ、精密さ」がこのぶどうの栽培から収穫にも見て取れる。
繊細な甲州らしいアロマに包まれた一本。和柑橘の香りを中心に、はっさくや甘夏などの爽やかでアロマティックなフルーツの凝縮した香りに、フレッシュアーモンド、セルフィーユ、白ユリ、ホワイトペッパーのようなスパイスの香りがアクセントとなり、複雑さを表現。甲州としては非常に高いレベルの酸をもち、真っ直ぐに伸びていくような直線的で流れるような酸の質感がスマートなストラクチャーを味わいに与える。アロマティックなフルーツフレーバーも口いっぱいに広がるとともに、スィートスパイスのヒントと甲州らしい苦味がさらなる奥行きを与える。凛とした印象を感じさせるエレガントスタイルの甲州。
合わせる料理
ヒラメのにぎり、鶏の天ぷら、寄せ鍋etc
9月12日にワイナリーショップと公式オンラインショップ限定で発売された、キュベスペシャル
「ワインのみらい 登美の丘 甲州 キュベスペシャル 2021」
登美の丘ワイナリーで収穫される「甲州」の中でもさらに厳選されたぶどうから造られるまさにスペシャルなキュべ。
香りからもより熟度の高いフルーツの凝縮感を感じることができる。同じ和柑橘でも温州みかんのようなアロマから、アプリコットやミラベルのようなストーンフルーツのアロマ、そしてハニーデューメロンのようなキャラクターもピックアップできる。オレンジブロッサム、レモンブロッサムのようなフレグランス、そしてクローブのようなスパイスのアクセント。スライスアーモンド、火打石、ほんのりとスモーク、と言ったようにより多くのディテールに溢れる。味わいはより洗練された印象で、さらなる緊張感を味わいに感じさせる。線の細い糸を張り詰めているような、上質な酸がもたらすバックボーンに、熟度の高いフルーツフレーバーがもたらす充実感溢れるボディ。余韻が非常に長く、ほんのりと甲州らしい苦味を後味で感じる。
合わせる料理
ノドグロのにぎり、毛蟹サラダ、松茸ご飯etc