サントリー ワイン スクエア
1989年愛知県生まれ。同志社大学在学中、留学先のニュージーランドでワインに魅了され、2014年にソムリエ資格を取得。2017年「第8回全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。2018年「第4回A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」優勝。2019年よりサントリーワイン・ブランドアンバサダー。京阪グループのフラッグシップホテルTHE THOUSAND KYOTOのシェフソムリエを務める。いま日本で最も注目されるソムリエの一人。
2021.08.04記事: 岩田渉(アンバサダー)
皆さま、こんにちは!サントリーワイン・ブランドアンバサダーのソムリエ岩田です。
ジメジメとした梅雨の季節も終わりを告げ、本格的な暑い夏がやって参りました。今回はそんな夏にぴったりの白ワインを紹介させていただきます。
7月よりラベルデザインが変わり、リニューアルしたポルトガルワイン「ガゼラ」です。このワインはポルトガルでも北部に位置する「ヴィーニョ ヴェルデ」というエリアでつくられています。「ヴィーニョ=ワイン」、「ヴェルデ=緑」という意味で、緑のワインとして知られており、若々しい爽やかな味わいのワインが数多くこのエリアではつくられております。この新しくなったデザインも、爽やかさが強調され、よりキャッチーですっきりと爽快なワインとしてのイメージも容易に想像できますね。
リニューアルした「ガゼラ」
ヴィーニョ ヴェルデは、アルコール度数が低くフレッシュなワインが伝統的なスタイルであり、このガゼラも通常のワインに比べて低めのアルコール度数の9%と軽やかで、さらにそのライトな味わいを際立たせてくれるシュワッとした微発泡が特徴であります。
ポルトガルという国はヨーロッパでも珍しく、日本と同じように沢山のお米を食べる国であり、また一人当たりの魚介類の消費量は世界で日本に次ぐ6位と言われております。地元ではタコを使ったお料理や、イワシのグリルと合わせて楽しまれている、ポルトガルを代表するフードフレンドリーなワインの1種です。
ヴィーニョ ヴェルデと相性ぴったりの「イワシのグリル」
魚介類との相性が良いということで、我々の日本食との相性の良さもピカイチです。例えばポルトガルと日本の食文化の共通点といえば、先述した「お米」と「魚介」。そこから連想されるお料理といえば、やはりお寿司。「ちらし寿司」のように、様々な魚介や具材が入っているものと合わせるのがおすすめです。というのも、このワインは単一品種でつくられているのではなく、様々なぶどうをブレンドしてつくっていることもあり、それらの様々な品種の良さが詰まっております。そういったブレンドしてつくられているようなワインには、お料理もいろいろな素材が入っている方が合わせやすくなったりしますので、ちらし寿司のようなものにはとても良い相性を見せてくれます。
また「緑」という部分に注目すると、夏によく食べられる「鮎」がおすすめです。地元ポルトガルではイワシのグリルですが、日本の夏には欠かせない鮎もガゼラととても相性が良いのです。鮎は川に生えている珪藻類を食べて育ちます。天然の鮎からはよく、キュウリやスイカの香りがすると言われておりますが、餌となる藻を食べて育つことからその独特な香りが現れます。ヴィーニョ ヴェルデの「緑のワイン」と爽やかな緑力しい香りに包まれた「鮎」。合わないわけがありませんよね!
その他、繊細で軽やかなワインですので、日本の出汁とも総じて相性が良いのが、ガゼラの魅力でもあります。このカラッとした暑い夏には本当にぴったりな白ワインです。家で飲まれる際は、冷蔵庫に入れて、しっかりと冷やして飲んでいただくと、この産地の特徴でフレッシュさがより際立ち、美味しく楽しんで頂けると思います。
ぜひこの夏はガゼラを片手に、ポルトガルの爽やかな「緑のワイン」をお楽しみください!
「鮎のコンフィ」もヴィーニョ ヴェルデと相性ぴったり
▼「ガゼラ」テイスティングコメント
淡い透明感のあるグリーンイエローの色調。
グラスに注ぐと同時に、細かい泡立ちが見えてくる。
香りはフレッシュで爽快感のある印象。
もぎたての青リンゴや洋梨、フレッシュさを際立たせるレモンやライムの柑橘を思わせるアロマが心地よい。白いお花やセルフィーユのようなハーブのニュアンスも。
ピチピチとした微発砲が口に含んだ瞬間に感じられ、爽やかな酸味と合わさることで、さらなる清涼感を感じさせてくれる。アルコールも9%と低く、スリムでライトボディな軽やかな味わい。