the Legend
2人のレジェンド
2014年にビーム社とサントリーが統合したことをきっかけに、ノウと福與は“これからのウイスキー”について一層語り合うようになりました。成熟しつつある市場に向け「新しい香味づくりにチャレンジすべきだ」というビジョンのもと、まず福與がアメリカ文化とバーボンの神髄を学ぶためジムビーム蒸溜所を訪れ、自らのブレンドテクニックでバーボンの新しい可能性を引き出すよう試行錯誤を重ねました。
帰国後、さまざまな樽で後熟したバーボンを掛け合わせ“まだ市場に存在しないユニークなフレーバー”をつくり出せることを発見。福與は再び蒸溜所を訪れ、ノウが厳選したバーボンをシェリー樽、ワイン樽で後熟。その原酒を正統派ストレートバーボンとブレンドするという、バーボンの常識を覆す製法に挑戦しました。こうして誕生したLEGENTは、ビーム社の伝統的なバーボンづくりのノウハウと、サントリーの繊細なブレンディング技術が生んだ東西の技の結晶であり、二つのウイスキー文化の融合を象徴するウイスキーでもあります。
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ジムビーム蒸溜所7代目マスターディスティラー
Fred Noe(フレッド・ノウ)
ジムビーム蒸溜所の七代目としてバーボンの伝統を担ってきました。これからの蒸溜所の未来を考えたとき、LEGENTは、これまでにない新しい挑戦のチャンスでした。代々受け継がれたバーボンづくりのすべてを注ぎ込み、福與さんという日本の匠の技を得てブレンドをし、新しいウイスキーのカテゴリーを拓くことができました。福與さんと二人で創り上げたLEGENTは、新しい人生の一歩を踏み出すような心震える体験でした。
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サントリー5代目チーフブレンダー
福與 伸二(フクヨ・シンジ)
LEGENTという新しい挑戦に際して、私はブレンダーとして、ブレンド技術で貢献しようと思いました。目新しい技術を使ったわけではありません。フレッドと私が長年培った経験とウイスキーへの愛情を持ち寄って生まれたのがLEGENTです。フレッドと私の間にはウイスキーさえあれば、不思議なほど会話が進み、お互いすぐに打ち解けていきました。ウイスキーという触媒によって二人の化学反応が進み、LEGENTができあがったのです。