85サンパラソルの育て方

サンパラソルってどんな花?
夏の花として「マンデビラ」の改良品種でキョウチクトウ科マンデビラ属のつる性植物です。赤色やピンク色の南国感溢れる花を次々と開花させます。育て方も簡単で、花壇の寄せ植えだけでなく近年ではグリーンカーテンとしても利用されています。
暑さに強く圧倒的な生育スピードでぐんぐん育ち、色鮮やかな花を毎日咲かせ、鮮やかな花色とトロピカルな雰囲気が特徴です。秋まで楽しめるのが嬉しい品種です。
トロピカルな色の美しい花が夏から秋まで長く咲くので、まさに暑い季節のガーデニングにおすすめです。
鉢植えで花を早く楽しむ品種や、花咲くグリーンカーテン向きの品種など、お好みに合わせてお庭や玄関先で楽しんでみてはいかがでしょうか。
目次
サンパラソルの基本データ
原産国
|
中央アメリカ~アルゼンチン |
科・属名 |
キョウチクトウ科マンデビラ属 |
---|---|---|---|
園芸分類 |
熱帯植物、草花 |
草丈/樹高 |
30cm~1.5m前後 |
形態 |
一年草 |
花径 |
7~8cm前後 |
耐寒性 |
弱い |
耐暑性 |
強い |
花色 |
赤、ピンク、白 |
開花時期 |
5月~10月 |
サンパラソルシリーズ
サンパラソルのシリーズには映える花色のラインアップと楽しめるバリエーションが豊富です。つるを伸ばす前から花が咲くタイプと、つるがよく伸び、つるを活かしてアレンジが楽しめるクライミングタイプ(大輪系、中輪系)があります。
サンパラソルとクライミング サンパラソルには共通して「暑さと乾燥に強い」という特徴があります。
サンパラソルの特徴

・キョウチクトウ科マンデビラ属
・早くから花が咲く
・コンパクトにまとまる咲き姿
・つるが伸びにくくて支柱なしでもOK
・初夏~晩秋まで長く咲く
サンパラソルは以上の特徴があり、まとまりがよく早く花が咲いてくれます。
クライミング サンパラソルの特徴

・キョウチクトウ科マンデビラ属
・つるが伸び、生育早く、大きく育つ
・圧倒的な生育スピードで、育てがいがある
・初夏~晩秋まで長く咲く
クライミング サンパラソルは以上の特徴があり「生育スピード」が早いのでぐんぐん大きくなっていき、育てる楽しさを実感できる品種です。
サンパラソルの育て方

植え付け
4~6月が植え付けにおすすめの時期です。サンパラソルは根が非常によく張り、大きく成長し根の回りも早いため、深鉢に植え付けるのがポイントです。
・サンパラソル・クライミング サンパラソル中輪系は15~24cmの鉢に1株
・クライミングサンパラソル大輪系は24~30cmの鉢に1株
を目安に植えこむことをおすすめします。
土の選び方
古い土は使わず新しい土を使用しましょう。水はけがよく栄養分を豊富に含んだ土を好みます草花用培養土などの新しい土を用意して植え付けましょう。ピートモスを主体とする弱酸性(pH5.5-6.0)の水はけの良い土をお勧めします。
置き場所
半日以上直射日光が当たる、日当たりの良い屋外で管理しましょう。西日は避けた方が良いので午後から日陰になるような場所などに移動しながら管理するのがおすすめです。基本的には1年草扱いです。寒さには弱く10℃を切ると生育が緩慢になり、降霜や根の凍結により枯れることもあるので、降霜が始まる頃~夜温が5℃を下回る頃を目安に室内に移動させて日当たりのよい場所で管理しましょう。夜間の冷気にさらさないように気をつけましょう。
水やり
サンパラソルは乾燥した環境を好む植物なので乾燥気味に育てた方がきれいに咲きます。水やりは土の表面が乾いていて、土の中もしっかり乾いている状態になったらあげるようにしましょう。水をあげすぎると過湿状態が続き、根が傷み枯れてしまう原因になりますので注意してください。また花に水がかかるとしぼんでしまうので、株元に注ぐように与えるのがポイントです。
肥料
肥料を必要とする植物なので、植え付け1ヶ月後から定期的に置肥をしましょう(1ヶ月に1回が目安)。また、植え付け2~3週間後から週1回の液肥も併用し追肥しましょう。
支柱の設置方法
サンパラソルはつる性の植物なので、つるの誘引によってさまざまな仕立て方ができます。ガーデニング初心者にも扱いやすいので、ぜひ誘引にトライしてみましょう。特にクライミング サンパラソルはつるになる性質が強く、ぐんぐん育つので支柱やトレリスを使って仕立てることをおすすめします。これにより、植物がしっかりと支えられ、美しい形に育ちます。
サンパラソルの設置方法
サンパラソルはつる性植物なので、支柱やトレリスを使ってつるを巻きつけると良いです。これにより、植物がしっかりと支えられ、美しい形に育ちます。
サンパラソルのボサ仕立て
サンパラソルはつるの伸びがゆっくりなので、支柱無しで育てる「ボサ仕立て」がおすすめです。
クリムゾン
4月中旬
6月中旬
8月下旬
ボサ仕立てには特にクリムゾン、ミルキーピンク、ルージュがおすすめです。
クリムゾン
ルージュ
ミルキーピンク
クライミング サンパラソルの支柱の設置方法
クライミング サンパラソルはつるがよく伸びるため、植え付け時に、つるを巻きつけるあんどんやトレリスなどの支柱を立てましょう。つるは半時計回りに絡ませて誘引します。クライミングサンパラソルはつるがぐんぐん伸びるのでしっかり誘引してあげましょう。
支柱の準備(あんどん仕立ての例)
①反時計回りにまいていく
②テープ(マスキングテープ)などで優しく留めて補助してあげる


動画で徹底解説
サンパラソル生育の様子をチェック!オススメのポイントやつるの誘引について動画で分かりやすくご紹介しています♪どうぞご覧ください!
サンパラソル 季節ごとの管理
暑さに強い反面、冬場の寒さには弱いサンパラソル。でも上手に冬越しできれば、翌年はさらにたくさんの花を咲かせてくれます。ぜひ冬越しにチャレンジして、サンパラソルを何年も長く楽しみましょう!
サンパラソルの夏越し: 高温期の3つの対策
・マルチング
土の表面にマルチング材(バークチップや藁など)を敷くことで、土の温度を下げ、保湿効果を高めることができます。
・害虫対策
高温多湿の環境ではアブラムシやハダニが発生しやすいです。定期的に葉の裏をチェックし、見つけたら早めに対処しましょう。
・日陰の確保
真夏の強い日差しを避けるために、必要に応じてシェードネットを使用して部分的に日陰を作ると良いでしょう。
サンパラソルの冬越し: 寒さ対策と室内管理
寒くなって霜が降りる前に室内に取り込み、株が大きくなり取り込むことが困難な場合には枝元の葉を数枚残して切り戻し、室内の日当たりの良い場所で管理します。冬越し時は水やりは控えめにするのがポイント。肥料は不要です。
・寒くなって霜が降りる前の夜温が5℃を下回るころに室内に取り込みます。
・室内の日当たりの良い場所で管理します。夜間の冷気があたらないようにしましょう。
・冬越し時は生育が緩慢になっているため、水やりは普段よりも控えめにして肥料も不要です。
※冬越しできたら、翌春には切り戻した部分から新芽が伸びだすので、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
サンパラソル冬越しのポイントを詳しく解説している動画はこちらからご覧ください。切り戻し方法なども動画で実演しています!
サンパラソル 病害虫対策
サンパラソルは美しい花を咲かせる一方で、いくつかの病害虫に注意が必要です。しっかりと対策もしましょう。
よくある病害虫とその対策
初夏にアブラムシやコジラミが発生することがあります。葉の裏を定期的にチェックし、見つけ次第、手で取り除くか、水で洗い流します。必要に応じて、殺虫剤を使用しましょう。
アセフェートを含む殺虫剤を使用した場合は、葉に薬害が出るおそれがあるため、ニテンピラムを含む殺虫剤の使用をお勧めします。
サンパラソルのよくある質問
Qサンパラソルの葉が黄色くなるのはなぜ? >>>
A①過湿
サンパラソルは乾燥気味の環境を好みます。過湿状態が続くと根が傷み、葉が黄色くなることがあります。
【対策】
できるだけ直射日光によく当て、乾燥気味に管理して、新しい健康な根が伸びるのを促進します。乾湿のメリハリをつけて管理し、元気な新芽が出てきて回復するまでは施肥をストップします。
A②薬害
サンパラソルは殺虫成分のアセフェートと相性が悪く、薬害を起こし、葉が黄化して枯れ、生育に影響することがあります。
【対策】
水やりは「土がしっかり乾いてから鉢底から流れ出るぐらいたっぷり」ですが、いつもの2倍程度の量の水を与え、土中の薬剤成分を流すようにしてください。
A③病気
土壌からフザリウム菌というカビに伝染した場合、葉が黄化して枯れることがあります。この場合、症状が劇的で、発症してから数日間で葉がすべて落ちてしまいます。
【対策】
症状が重い場合は、残念ですが、回復の可能性が低いです。軽症の場合は、土壌に殺菌剤を潅注して様子を見てください。
Qサンパラソルの花が咲かないのはなぜ? >>>
A①日照不足
サンパラソルは日光を好む植物で、日照不足により花数が少なくなることがあります。
【対策】
半日以上、直射日光が当たる屋外に置くことをおすすめします。真夏は午前中に直射日光が当たる場所に置き、午後には強い西日は避けるため日陰などに移動にしましょう。
A②肥料不足
花を咲かせるためには、適切な肥料が必要です。
【対策】
固形肥料を月に1回、液体肥料を1週間に1回を目安に追肥をしましょう。
A③過湿状態
サンパラソルは乾燥した環境を好み、過湿状態が続くと、根が傷み、蕾が開かないまま落ちてしまうことがあります。
【対策】
乾燥気味に管理して、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れる程度にたっぷりと水を与えましょう。
A④高温
真夏の特に高温期には花が休むことがあります。特に夏に強い西日が当たると花は休みがちとなります。
【対策】
真夏の高温が落ち着くまでは様子を見ていただき、夏の間はできる限り西日の当たらない場所で置いて管理しましょう。
まとめ

①日当たり
サンパラソルは日光を好むため、半日以上直射日光が当たる場所に置きましょう。
②乾燥気味に育てる
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。過湿は根腐れの原因になるので注意が必要です。
③花がら摘み
終わった花はこまめに摘み取ることで、病害虫の予防になります。
④室内管理
サンパラソルは寒さに弱いため、冬は室内に取り込んで管理します。
⑤摘芯
基本的には摘芯は不要ですが、必要に応じてつるを整えると良いです。
サンパラソルは真夏でもトロピカルなお花を元気いっぱいに咲かせる夏のガーデニングにピッタリのお花です。
みなさんもサンパラソルを育ててみませんか?