70サイネリアの育て方~鉢・土・苗、植え方から切り戻し、栽培ポイント等
サイネリアは11月~翌年5月にかけて花を咲かせるキク科ペリカリス属の植物で、華やかな花姿と花色が美しく、寒い冬のお庭やベランダ、玄関先を色鮮やかに彩ってくれます。秋から翌春まで楽しめるので、鉢植えや地植えで楽しむガーデニングの花として定番の花の一つです。 オレンジ以外のほとんどの花色があり、花びらの中央から先にかけてグラデーションカラーになっている花色や覆輪の花模様など種類も豊富です。 サイネリアは園芸店やホームセンターなどで種、花苗、花鉢を購入することができます。ガーデニング初心者の方は、花苗または花鉢から始めた方が育てやすいでしょう。 そこで今回は、サイネリアをたくさん咲かせるための基本的な育て方から、栽培環境、鉢・土・苗などの上手な選び方、鉢植え・地植え・寄せ植え・ハンギング、実際に育てた栽培日記、おすすめサイネリア品種などをご紹介いたします。
目次
キク科ペリカリス属の多年草で、カナリア諸島原産のペリカリス属の草花を数種類掛け合わせてできた園芸品種です。サイネリアは開花時期が長く、花色もとても豊富で、冬の寒い時期に室内を彩る鉢花として人気があります。ただし、暑さに弱く、日本では夏を越えられないため一年草として扱われます。カラフルな花をこんもりと密に咲かせる冬から春のがガーデニングが楽しめる花です。開花時期は11?5月と長く、紫やピンク、黄、茶、複色など花色も豊富にあります。また、地際から伸びる互生の大きな葉も特徴的です カナリア諸島 科・属名 キク科ペリカリス属 園芸分類 草花 草丈/樹高 30~40cm 形態 一年草 花径 3cm前後 耐寒性 弱い 耐暑性 弱い 花色 赤、ピンク、白、青、紫、 開花時期 11月~翌5月 11月~翌年5月にかけて花を咲かせます。咲いている期間が長いので満開をたくさん楽しめます。 サイネリアの花言葉 :「いつも快活」「喜び」 サイネリアの学名は「Pericallis × hybrida」です。 華やかな咲き姿と明るい花言葉から、特に鉢花は観賞用やギフトとして人気が高く、一般的なプレゼントにおすすめのお花です。 基本の育て方を覚えてしまえばガーデニングは難しいものではありません。また、秋冬のガーデニングは春夏よりも水やりの回数が少なくて済み、ゆったりした成長に合わせたお手入れ方法を知っているだけで、よりたくさん花を咲かせられますよ。 (1)園芸店やホームセンターなどで売っている花苗と、草花用培養土を用意します。 根の張りがよく生育旺盛な植物なので一回り大きい鉢に植え付けた方が良いです。こんもり大きく育てたい場合は大き目の鉢の方がよいでしょう。 サイネリアの水やりのタイミングは、土の表面が乾いた時です。プランター(鉢)で育てる場合は、鉢が軽くなったら鉢底から水があふれるぐらいたっぷりあげます。 植え付け時に土に含まれていた肥料は、徐々に効き目がなくなっていきますので、花をたくさん咲かせるために、植え付けの約1ヶ月後から固形の「置肥」を定期的に与えます。元肥が含まれていない土の場合は、植え付け時に土に元肥を混ぜ込んでおきます サイネリアを育てる前のチェックポイントです。 直射日光が半日以上当たる屋外が適しています。明るい半日陰でも育ちます。寒さにはやや弱く、気温が5度以上の場所が安全です。また、湿気がこもりやすい場所は避けましょう。鉢植えで育てて、雪や霜の心配があるときは軒先や屋内へ移動してください。 「良い苗」は、根本がしっかりしていてグラグラしない、茎が太い、黄色い葉がない苗です。 園芸店やホームセンターで売っている「草花用の培養土」が便利です。元肥が含まれていない土を使う場合は必ず元肥を混ぜます。 サイネリアで1株の苗を植える鉢・プランターのサイズは、一般的に8号(直径24cm)前後の大きさで深めの鉢がおすすめです。サイズが大きすぎると土がなかなか乾かず生長が遅れることがあり、小さすぎると水切れや株が大きくならないことがあります。また、浅すぎる鉢は根が詰まりやすくなるため適度に深さのある鉢を選びましょう。 ■鉢植えの場合 サイネリアは摘芯(ピンチ)は基本的には不要です。 咲き終わってしぼんだ花はマメに摘み取りましょう。花びらだけではなく、花茎ごと切り取ります。咲き終わった花をそのままにしておくと結実して種子ができ、そちらに養分が取られるために、全体の花つきが悪くなり、株の寿命も短くなってしまうからです。 サイネリアが満開を迎えた後、形が乱れてきたり全体的に花数が減ってきたりしたら、切り戻しを行うと、また満開の花を楽しめます。切った花は生け花として飾って楽しみましょう。 多湿状態が続くと灰色カビ病の原因になりますので、土が湿っている時は水やりを控えましょう。 ヒヨドリやメジロにとって寒い季節は食べるものが少ないので、ベランダや屋上などに咲いた花びらを食べに来ることがあります。 寒さに弱いので5度を下回るようになってきたら、室内や軒下など霜が当たらないところに移動してあげましょう。 栽培温度は10~20度前後がよく、暑さに弱いので半日陰に移動させたり直射日光に当たりすぎないようにしましょう。 防除用の薬剤を散布などし、さらに葉の間引きをして通気性良くしてあげましょう。特に植え込み直後と春先にすると良いです。 真冬は肥料を控えめにします。 霜や雪に当たると枯れてしまうこともありますので、厳寒期の夜間や降雪の間は軒下や屋内など霜や雪の当たらない場所に移動してあげましょう。 屋内で冬越しした場合、春になり気温が高くなってきたら少しずつ外気に慣らすようにし、日当たりのよい屋外に移動しましょう。 セネッティのを育て方ポイント動画で紹介しています。詳細はこちらからご覧ください。 もともとは北ヨーロッパの野生種だったサイネリアが育成され、現在では数多くのガーデニング向け品種が愛されています。 ・冬のお庭や玄関先などに映える、豪華で鮮やかな花色 サントリーフラワーズのセネッティは春と秋も楽しめます。 カラーバリエーションも春と秋とで違いますので季節によって楽しんでみてください。 満開を超えて間延びしたサイネリアは、再び満開を迎えるためにぜひ切り戻しをしましょう。勿体ないと感じるかもしれませんが、切ったお花は室内の好きな場所に飾れば、お部屋の中でも花のある空間を楽しめます。 花瓶がなくても、ガラスのコップや食器、身近な小物にそっと活けただけでも絵になります。 1つのプランターに1株を植えて育てるのが最もシンプルで管理がしやすいです。 これまでにホテルニューオータニ(東京)、横浜イングリッシュガーデン(神奈川)、玉川高島屋S・C(東京都)など、様々な場所で「セネッティ」は植栽されました。 サントリーフラワーズのスタッフが10月~翌4月にかけて「セネッティ」を育てて満開に咲かせていった生育過程をまとめましたので、ぜひご参考になってみてください。 ◆10月3日 ◆10月31日 ◆11月7日 ◆12月21日 ◆1月4日 ◆2月3日 ◆2月17日 ◆3月17日 ◆4月26日 ◆5月3日 私なりの栽培ポイントをまとめましたので、ご参考いただけたらと思います。 おうちのベランダやお庭で気軽に育てられるサイネリアは、寒さが本格化する10月下旬までには植え付けをしましょう。寒さのストレスなく育ちます。サイネリアってどんな花?
サイネリアの特徴
サイネリア基本情報
サイネリアの開花時期
サイネリアの花言葉・名前の由来
サイネリアの花言葉
サイネリアの花は一度花開くと、花が開いた状態が長く続きます。また冬の寒い季節にも綺麗な花を見せてくれるので、いつも元気で花咲く喜びを与えてくれる、そんなサイネリアのイメージを連想させられる花言葉ですね。サイネリアの名前の由来
18世紀にイギリスに持ち込まれ、その後園芸種として様々な品種改良が進み世界に広まりました。
日本名の「サイネリア」の語源は、英語名の「Florist’s Cineraria」から来ています。始めは「シネラリア」と呼ばれていましたが縁起が良くないとされて「サイネリア」に変わり、現在は「サイネリア」が一般化されました。
サイネリアには「富貴菊(フウキギク)」「富貴桜(フウキザクラ)」という和名もあります。サイネリアを贈る際の注意
1つだけ注意したいことは、旧名からお見舞いに贈るのだけは避けた方が無難かもしれません。サイネリアでなくても鉢花は「根付く=寝付く」から縁起が良くないとされていますのでお見舞いに贈るのは避けましょう。
ちなみにイギリスでは「早く快活に、元気になって」という意味を込めてお見舞いの花束としてよく用いられています。サイネリアの育て方
サイネリアの基本の育て方3条
(2)花苗をプランター(鉢)または花壇などに植え込んで、半日以上直射日光の当たる屋外、なければ明るい半日陰の野外に置きます。
(3)土の表面が乾いたら、たっぷりとお水をあげてください。植え付け
水やり | 乾と湿のメリハリが大切!
水のやりすぎは根腐れの原因になりますので、土が湿っている時にはあげなくてよいです。とくに冬は土がなかなか乾かないので、やりすぎないようにします。肥料 | 成長力と開花力がアップ!冬の間はやや控えめに。
「液肥」は植え付けの約2~3週間後から置肥と併用し、冬の間は控え、春になって株が成長したら再び置肥と併用すると開花パフォーマンスが高まります。
お手持ちの肥料に記載されている肥料の使用方法、濃度、頻度を参考にしてください。サイネリアにおすすめの環境
「種」を蒔いて育てる方法もありますが、ここでは種より簡単で初心者にも育てやすい「花苗」を植える方法をご紹介します。花苗は園芸店やホームセンターなどで購入することができます。栽培環境 | 日当たりや温度、置き場所は?
苗の選び方 | どんな苗を選べばいい?
土の選び方 | 苗の植え付けには草花用の培養土を。
鉢・プランターに土を入れる量は、鉢いっぱいにせず、2~3cmほど下あたりまでが目安です。
鉢底に「鉢底石」を入れると、土の排水性や通気性が良くなります。
地植えの場合も、もともとの土は使わず「草花用の培養土」に入れ替えてあげましょう。鉢・プランター | おすすめのサイズや号数ごとの大きさは?
苗の植え付け方 | 地植えよりも鉢植えがおすすめです
ビニールポットから苗を取り出し、枯れた下葉がある場合は取り除きます。「鉢底石」を鉢の4分の1くらい入れ、その上から土を入れます。鉢いっぱいに土を入れず、鉢の縁の高さより2~3cm低い位置までにして、ウォータースペースを作りましょう。鉢の縁ギリギリまで土を入れてしまうと、水やりの際に水が上から溢れ出てしまいます。
サイネリアのお手入れ
摘芯(ピンチ) | 不要
生長して枝が込み合ってきたら、古い葉や大きい葉を適宜カットして、株元に日光が当たりやすく、風通しも良い状態にしてあげましょう。花がら摘み | 花茎ごとカットするのがコツ
また、花がらをプランターや花壇の土の上に放置しておくとカビの発生や病気の原因となりますので、放置せず片づけて、清潔な環境を保ちましょう。切り戻し | 何度も満開を楽しむために!
切り戻しは気温が15度以下の3月上旬までに行うことが重要です。
切り戻し後は追肥も忘れずに、またなるべく直射日光に当ててください。サイネリアによくある病気と害虫対策ポイント!
サイネリアのかかりやすい病気と害虫
肥料を冬の間はあげすぎると栄養過多になり、弱ったり、うどんこ病の原因になりますので肥料は控えめにします。
気温と湿度が上がってきたら、マメに花がらや傷んだ葉を取り除き、蒸れて病気が発生しないよう管理してください。
冬は虫の心配はありませんが、暖かい春が来て虫が活動する前に防虫剤で先手を打っておくと安心です。春先にはアブラムシやコナジラミが発生することがあります。虫がついた場合は見つけ次第すぐ市販の薬剤を使うなど対処しましょう。鳥の対策
もし鳥を避けたい場合は、CDなど光るもの、風で音が鳴るものなどを取り付けたり、案山子のようなものを置くと鳥が嫌がって近づいてこないでしょう。
すのこにアルミオイルを貼り付けて反射板に
服用のビニールカバーや古着等で「案山子」に
細長くカットしたアルミホイルや円盤を取り付けるサイネリア上手に育てるポイント3選!
寒さ対策
暑さ対策
うどん粉対策
冬越し | 関東以西の温暖地域では可能
動画で解説!育て方ポイント
サイネリアのおすすめ品種 | セネッティ
ここでは、初心者でも育てやすく、花付きが良いのでお花がたくさん咲き、お手入れも簡単なサントリーフラワーズのサイネリア品種をご紹介します。セネッティの特徴
・花持ちバツグン!一度花が開くと、開いた状態が長く続きます。
・次々と花が咲き、冬にも満開を楽しめます。セネッティのカラーバリエーション
セネッティ秋冬ラインアップ
レッド
ブルー
ブルーバイカラー
ラベンダーバイカラーセネッティ春夏ラインアップ
ライラック
ホワイトレッドアイ
ガーネット
ロイヤルブルー
スカーレット春と秋も長く楽しめるセネッティ
切り戻したサイネリアはおうちで飾りましょう
冬と春に2回の満開を楽しめます
10月上旬 (定植)
2月下旬 満開→切り戻し
翌春5月上旬セネッティの楽しみ方
大きめのプランターに2~3株植え、混色植え、他の花と寄せ植えてもおしゃれです。サイネリア(セネッティ)の植栽
ホテルニューオータニ
ホテルニューオータニ
横浜イングリッシュガーデン
玉川高島屋S・Cサイネリア(セネッティ)の栽培日記
※地域や日当たりの条件など環境により異なります。
セネッティの苗(レッド×2、ブルー×2、ラベンダーバイカラー×1、ブルーバイカラー×1)計6個を植えました。
まずは5号鉢に仮植えしてから移植します。
私はセネッティの満開時の華やかさが大好きで、ほぼ毎年植えています。
5号鉢に仮植えしたセネッティを移植しました。
レッド×2とブルー×2を50×22cmの横長プランターに、ブルーバイカラーとラベンダーバイカラーは1株ずつ20cmの素焼き鉢に植えました。鉢底に赤玉大粒を薄く敷き、用土は草花用土です。
レッド2苗は徒長が目立っていたので2週間ほど前に摘芯しました。
レッド以外はすでに蕾が上がっています。年内に咲きそうです。
ブルーの一番花が咲きました。植え込みから約1ヵ月の開花は早いですね。
植え込んだ時期が早かったのと、好天が続いたからだと思います。
最も開花が進んでいるブルーが三~四分咲き程度、ブルーバイカラーとラベンダーバイカラーも順調に花数を増やしています。
そして、ピンチのため出遅れていたレッドも咲き始めました。
新年早々にブルーが満開になりました。ブルーバイカラーとラベンダーバイカラーもほぼ満開です。レッドは満開までまだまだ時間がかかりそうですが、草姿が最も整っています。満開が楽しみです。
一株植えのブルーバイカラー、ラベンダーバイカラーが満開です。レッド(植え付け後にピンチ1回)はまだ五分咲き程度です。ブルーは満開のピークを過ぎて、花数が減りました。
年明けからの寒さのせいか開花がゆっくりになったように思います。満開まであと2~3週間かかりそうです。暖かい周期が来たら、切り戻してもう一度咲かせようと思います。
レッド以外のセネッティを切り戻しました。
ブルーは横から太い枝が伸びてきて、すっかり草姿が乱れてしまいました。切り戻して立て直します。
ブルーバイカラーとラベンダーバイカラーも花数が減ってきたので、短く切りました。
セネッティの開花状況は、レッドが満開になりました。花いっぱいでとても艶やかです。切り戻した株(ブルー×2株、ラベンダーバイカラー×1株、ブルーバイカラー×1株)もモリモリ茂ってきて、すでに蕾も上がっています。3月中に開花するでしょうか。
ブルーバイカラーとラベンダーバイカラーが満開になりました。冬の満開時よりもコンパクトに仕上がっています。気温が上昇しているため徒長しにくくなっているのでしょうね。
ブルーは5~6分咲き程度です。あと10日ぐらいで満開になるでしょうか。
ブルー×2株も満開になりました。
真上から撮影すると、なかなかの花密度です。葉もプランターも見えません。セネッティ栽培で注意したいポイント
セネッティ栽培で注意したい【残暑、雪と霜、風通し】について
(1)初秋の残暑に気をつける
植え込みから2週間程度は午後からの直射日光を避けた方が無難です。
10月中は最高気温が25度以上になる日が結構あり、根が十分に根付いていないうちに直射日光を長時間浴びると、脱水のような症状になり、根が傷むことがあります。
今回も植え込み翌日の気温が上がり、午後から葉がシナシナになってきたため、日陰に移動しました。
(2)雪と霜は絶対に避ける
雪と霜が苦手です。特に雪が葉や花にあたると溶けたようになってしまいます。寒い地域で栽培する場合は、雪霜避けをしっかりしましょう。
温暖な地域でも、突然の雪や急激な気温の低下に注意が必要です。
(3)葉を間引いて株の日差しと、風通しを良くする
摘芯要らずのセネッティですが、ある程度生長して枝が込み合ってきたら、大きな葉や老化葉を適宜切り取ります。そうすることで、株元にも日光が入りやすくなり、風通しも良くなります。
以上です。良かったら試してみてください。サイネリアの「植え込み時期」は冬が来る前に!
秋のガーデニングは気候も過ごしやすく、春夏よりも病虫害に合いにくい、水切れしにくいなどのメリットもあり、気楽に園芸を楽しめる季節です。秋や冬にもお庭やベランダでたくさんの花が咲いている光景はとても素敵で嬉しいものです。
サントリーフラワーズのサイネリア「セネッティ」は植え込み時期となる9月下旬~10月下旬あたりに全国の園芸店やホームセンターなどで手に入れられますので、気になるお花がありましたらぜひチェックしてみてください。
※品切れの場合もございますので、事前に販売店までご確認いただきますようお願いいたします。