「天然水の森」の生き物

カケス

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カケスは、他の鳥の声や機械的な音のモノマネが上手な、カラスの仲間です。ドングリの木と協力関係を築きながら暮らしています。

秋のカケスはドングリの種まきで大忙し

カケスは、木の実や虫、昆虫やカエルなど、あらゆるものを食べる雑食性の鳥です。しかし、冬には食べるものがほとんどなくなってしまいます。そのため、カケスは、秋の間にドングリを集めて地面に埋めて回ります。そして、そのドングリを掘り返して冬の食料難を乗り切る賢い鳥です。

カケスの写真

実は賢いドングリの木

ドングリの木は、豊作と凶作の差が激しいことで知られています。豊作は多くても2年に1度、ブナの木などは、5~6年に1度ということも珍しくありません。

ブナの木
ブナの実

ドングリを好んで食べるのは、カケスだけではありません。クマやイノシシ、タヌキ、ネズミなども、ドングリを好みます。そのような状態で、もし、毎年ドングリを少しずつ実らせるようなことをすれば、全て食べられてしまうでしょう。

そこで、ドングリの木は豊作の年にだけ大量に実をつける戦略をとっています。食べきれない量の食料を目にしたカケスたちは、ドングリを埋めて回ります。「今年はもうこれくらいで充分だろう」とは考えません。その結果、大量のドングリが食べ残され、芽生えたドングリの苗で、次世代のドングリの森が育っていくのです。

カケスとドングリの木の協力関係

ドングリの木の戦略を知ると、カケスはドングリの木に利用されているように見えるかもしれません。しかし、よく考えてみると、カケスたちはドングリの戦略に乗ることで、遠い未来の子どもたちのために、ドングリの森をつくっていると言えます。

つまり、カケスは一方的に利用されているのではなく、長い目で見ればウィンウィンの関係にあるのです。カケス、ドングリ共にとても賢い生き物です。自然界にはこのような美しい協力関係が、いたるところで見られます

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