「天然水の森」の生き物

落ち葉

秋になると地表一面に広がる落ち葉。一見栄養がないようにも見えますが、多くの土壌生物の餌となり、森の生き物たちの生命を支えています。

森の生き物たちの栄養源

植物は、落葉前に窒素やリンなどの重要な養分を抜いてから葉を落とします。そのため落ち葉には炭素が多く、他の養分が少なくなり、そのままではミミズやバクテリアなどの土壌生物の食料になりません。

しかし、栄養が少ない落ち葉を利用できる生き物もいます。「落ち葉分解菌」と呼ばれるキノコやカビなどの菌類です。彼らは呼吸で炭素を追い出したり、土の中に伸ばした菌糸で窒素やミネラルを吸収したりすることで、落ち葉の栄養状態を整えます。

こうして分解が進んだ落ち葉を、次に利用するのがミミズなどの土壌動物やバクテリアなどの微生物です。ミミズなどのフンは、団粒構造と呼ばれる小さな団子状になり、フカフカな手触りで、水はけも水持ちもよい、森の植物たちにとって理想的な森林土壌のもととなります。

このように、森の木々は落ち葉を落とすことで、さまざまな土壌生物を育み、最終的には自分たちにとって理想的な土壌環境を育んでいるのです。

「天然水の森」の取り組み

「天然水の森」では、多様な木々が育つ環境づくりを進めています。

「光」の差し込む森づくり

スギやヒノキなどの常緑樹が放置された整備不足の人工林では、生い茂る木々に光が遮られ、下草や広葉樹が育ちにくくなります。「天然水の森」では、適切な間伐や枝打ちを行うことで、地表を明るくし、多様な草や広葉樹が育つ環境づくりに取り組んでいます。

光が届かなくなった森
間伐作業を行い地表を広葉樹が覆い始めた森
荒廃した針葉樹林の健全化
について見る

落ち葉で描かれた作品

秋になると、赤や黄色、オレンジ、こげ茶などさまざまに色づく木々が見られる「天然水の森」。「天然水の森」で採れた落ち葉や木の実、キノコで、森に棲む野鳥を美しく描き、森と水への思いを表現したグラフィックと動画「Beauty of Forest」をご紹介します。

キビタキの写真
ヤマドリの写真

「天然水の森」の落ち葉などで描かれた野鳥
(左:キビタキ/右:ヤマドリ)

公開年月:2017年1月