SUNTORY CHALLENGED SPORTS PROJECT

#7 「選手の夢をかなえてあげたい」

#7 「選手の夢をかなえてあげたい」

車椅子バスケットボール 及川 晋平ヘッドコーチ

サントリー協賛の「2015IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」男子日本代表ヘッドコーチ

※サントリーは日本車椅子バスケットボール連盟のオフィシャルパートナーとして
日本代表候補選手を応援しています。

Q.競技との出会いは?

出会いは22歳でした。中学、高校でバスケットボール部でしたが、高校1年の冬に骨肉腫になり、その後、足を切断しました。そのとき、バスケを一度、諦めたんです。でも、誘われて試合を見て、「バスケットだ」と思いました。障がい者スポーツに対する偏見、先入観があり、まさか自分がやるものであるという発想にすぐには至らなかったのですが、レベルの高さを感じてすぐに体験させてもらいました。骨肉腫になった後、転移して3回、肺を切りました。汗をかくことすらなかったので、ショットを打つだけで気持ちよく、頑張っていた頃の自分がよみがえってきました。

Q.指導者生活の中で困難に直面し乗り越えた経験は?

ずっと困難で難しいです。自分の判断の遅れでゲームの流れを作れないことがあります。2014年の世界選手権では、選手を交代させる決断ができずに同じ選手を使い続け、2試合、逆転負けしました。僕の勇気がなかったためで、申し訳なかったと選手に謝りました。コーチは、ゲームを作るプレーヤーなんです。準備をし、体調を整え、トレーニングも必要です。

Q.日々の指導の中で大切にしていることはありますか?

選手とともに一緒にやることです。選手の可能性を最大限引き出したい。障がいも個性も、文化も違う。それぞれの個性を引き出すことが何よりも大切です。一人ひとりのことを見て、話をして、チーム、グループだけでなく、個人の目標設定も一緒にやるようにしています。恩師であるカナダ人のマイク・フログリーコーチに学びました。彼は、事細かく、一人ひとりの個性にふさわしいコーチングをしてくれます。言うことを聞けば勝てるコーチではなく、みんなが行きたい方向になんとかして持っていくことができるコーチを目指しています。

Q.夢、目標は?

夢は今、実現できています。やりたいことをやらせてもらって。あとは、目標を持っている選手をそこに届かせてあげたい。選手の夢をかなえてあげたい。そのために、知ることを大切にしています。とにかく研究します。試合や合宿のビデオを全て見て、編集して、ラインで送ったりFacebookで上げたり、選手に伝える工夫もしています。

Q.読者の皆さんへメッセージをお願いします!

リオに向けて3年間ヘッドコーチをしてきました。すばらしいプレイヤーたちに恵まれ、非常に良いチームができたと思っています。こんな選手たちとプレーできることは奇跡。恵まれています。世界で勝つことが厳しいことはわかっていますが、手応えも感じています。もしかしたら、感動的な瞬間を手にできるかもしれない。見逃さずに応援していただければうれしいです。

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画像提供:JWBF/フォトサービス・ワン

及川 晋平ヘッドコーチSHINPEI OIKAWA

サントリー協賛の「2015IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」男子日本代表ヘッドコーチ

※サントリーは日本車椅子バスケットボール連盟のオフィシャルパートナーとして
日本代表候補選手を応援しています。

  • ●1971年4月20日生まれ

  • ●千葉県出身/在住

  • ●「NO EXCUSE」ヘッドコーチ

  • ●16歳のときに骨肉腫で右足を切断。22歳で車椅子バスケチーム「千葉ホークス」に入団し、車椅子バスケを開始(持ち点4.5)。翌年には米国に留学し、シアトルスーパーソニックス、フレズノレッドローラーズで活躍する。

  • ●2000シドニーパラリンピック日本代表

  • ●2012ロンドンパラリンピック男子日本代表アシスタントコーチ、2016リオパラリンピック男子日本代表ヘッドコーチ

  • ●2015年車椅子バスケットボール国際大会「2015IWBFアジアオセアニア チャンピオンシップ千葉」男子日本代表ヘッドコーチ

  • ●2001年から車椅子バスケットボールキャンプを主催。現在はNPO法人「Jキャンプ」で若手育成にも注力している。

PASSION FOR CHALLENGE
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