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営業畑から一転! 50年続くサントリーの愛鳥活動に携わって【前編】
営業畑から一転! 50年続くサントリーの愛鳥活動に携わって【前編】

ENVIRONMENT

営業畑から一転! 50年続くサントリーの愛鳥活動に携わって【前編】

23.04.26

生物多様性や環境保全は、今や企業にとって避けられないキーワード。実はサントリーには、長く取り組む環境活動があります。それが2023年で50周年を迎える「愛鳥活動」。その50年間の活動とこれからについて、前・後編にわたりサントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ推進部 天然水の森グループ 愛鳥活動担当 髙井奈緒美がご紹介します。

Today Birds, Tomorrow Humans

私が愛鳥活動に初めて携わったのは10年ほど前のことです。入社以来多くの時間を営業として商品と向き合ってきたなかで「サントリーのほかの事業も知りたい」という思いが大きくなり、上司に異動を願い出ました。そこで配属されたのが、現在の部署の前身である「環境部」。今ほど環境意識の高まりもない時代ですし、営業部門からきた私自身「愛鳥活動って何をするのだろう」というところからのスタートでした。

ただ、その仕事を始めると、ある日暮らしのなかで鳥の声がたくさん聴こえ始めたのです。それまで意識していなかっただけで、実は都会の公園でもかなりの鳥に出会えます。世界が突然、新しい表情を見せたように感じましたね。

サントリーの愛鳥活動は1973年に始まりました。当時の日本は高度経済成長の真っ只中。世の中が活気にあふれ勢いづいている一方で、公害が問題になり始めた時代です。便利な生活のために大切な自然が失われつつあったのです。サントリーは、飲料をはじめ、ほとんどの商品が自然の恵みで成り立たっています。その大切な自然が損なわれることは会社の将来に大きな影響が及ぶことと危機感を持ち、自然保護のための普及啓発活動を愛鳥活動として始めたのです。

ただ声高に「環境を大切に」と言っても伝わらないだろうと模索するなか、出会ったのが、「Today Birds, Tomorrow Humans(今日鳥たちに起こる不幸は、明日、人間の身に降りかかるかもしれない。)」というスローガンでした。 鳥は羽があるので、環境が悪くなると飛び去り、環境を良くすると戻ってくる「環境のバロメーター」であり、世界中にいて、毎日のように出会える身近な存在です。そんな「鳥」をシンボルに普及啓発活動をすれば、誰にでも自然に思いを馳せてもらえると考えたのです。

活動の1つは新聞広告です。10年以上続けた新聞の意見広告の反響は非常に大きく、現在、野鳥保護活動に携わる方のなかには、子どものころにその新聞広告を見たことがきっかけになったと言われることもあります。

1973年に掲載された最初の愛鳥キャンペーン新聞広告

この日、撮影が行われた「東京港野鳥公園」でも多くの野鳥に出会いました

私たちは、「Today Birds, Tomorrow Humans」を、「今日鳥たちに起こる『幸福』は、明日の人間を幸せにするかもしれない。」という考えのもと活動を続けています。

健全な生態系を取り戻す「ワシ・タカ子育て支援プロジェクト」

具体的な活動として、「ワシ・タカ子育て支援プロジェクト」「フクロウ巣箱プロジェクト」があります。これは鳥類の猛禽類をシンボルに据えた愛鳥活動です。 森に暮らすさまざまな生き物は「生態系ピラミッド」を築いています。その頂点にいるワシやタカなどの猛禽類が子育てをするには、豊富な餌となる生き物やそれを育む広大な森が必要です。猛禽類が子育てをできる森は、ピラミッド自体が大きく、底辺の広い、豊かで元気な森の目印になります。

日本の森の生態系ピラミッド

取材当日、なんとオオタカの姿を発見。注意していれば、都内でも猛禽類を目にする機会があることに気付かされます

日本の森林は巨木が少なくなり、フクロウが子育てをする大きな樹洞が減少しています。そこで、サントリーの工場の水源エリアで、水を育む森づくりに取り組む各地の「天然水の森」では、巣箱を設置してフクロウの“住宅難”を一時的に解消する活動もしています。

同時に、環境のバロメーターとなる鳥の生息状況などを確認する調査を実施し、そのデータを豊かな森づくりの1つの指針としています。「天然水の森」では毎年どこかで猛禽類の子育てがされ、これまで述べ8種103回の営巣確認をしています。

専門家の指導で設置する巣箱は、高い確率で子育てに使われます。写真は営巣状況の確認調査時に撮影

2019年に協定を締結した「天然水の森 北アルプス」では野鳥調査を行い、かつて猛禽類が営巣していた時の環境に近づけるべく森林整備をし、人工巣台を設置しました。そうしたところ2022年、オオタカが営巣し子育てに成功。3羽のヒナが無事巣立ったことはとてもうれしいできごとでした。

1973年から始まった愛鳥活動も50周年を迎えます。当時、普及啓発のために新聞に掲載した意見広告の内容はSDGsの考え方そのもので、今見ても古びない内容です。サントリーには愛鳥活動を始めた当時から、この想いがDNAとして現在まで引き継がれているのだと思います。

(後編に続きます)

▼関連リンク

サントリーの愛鳥活動

撮影協力/東京港野鳥公園
*東京港野鳥公園には(公財)日本野鳥の会のレンジャーが常駐しています

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