サントリー ワイン スクエア

経営権取得から40年目を迎えて

シャトー ラグランジュの桜井楽生です。

新しい1年が始まりました。皆様のご健康とご多幸を心からお祈りいたします。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

シャトー ラグランジュは今年、1983年の経営権取得から40周年という節目の年を迎えることができました。これもひとえに、皆さまからの長きにわたるご支援があったからこそと深く感謝しております。

この「40年」という歳月は、シャトー ラグランジュ再建に関わった全ての人が待ち望んでいたものでした。サントリーが当地を引き継いだ際、広大な畑の半分以上は耕作放棄されており、私たちはその後の数年間で約60haもの畑に新たなぶどうを植えました。(1haあたり約9000本、60haで合計50万本以上!)

ぶどう樹は、樹齢が高い方が品質の高い果実をうむと言われており、若い樹のぶどうは主にセカンドワインに使われます。グランクリュ格付けシャトーにおいては、平均樹齢30年は当たり前の世界。そんな中で私たちは、新たに植えた樹が10年、20年、30年と歳を重ね、より高品質のぶどうができるようになるのをずっと待っていました。
当時細かったであろう樹は、今や見事な成木となりました(写真1)。私は畑で1980年代に植えられた樹を見るたびに、当時の人たちの想いと情熱を想像し、胸に熱くなるものを感じます。

さて、樹齢が高まったことで近年益々高品質のワインをうみだせるようになったシャトー ラグランジュですが、先日嬉しいニュースが飛び込んできました。ボルドーワインにおいて世界で強い影響力のある評論家の一人、ジェーン・アンソン氏(※)が、2022年に試飲した全ワインの総合評価 “Wines of the Year 2022”を発表しました。その中で、メドックのトップ5にシャトー ラグランジュ2016が選ばれたのです!

シャトー ラグランジュ 2016は、カベルネ・ソーヴィニヨンが70%、平均樹齢は42年。素晴らしい気象条件にも恵まれたこのワインは、きっと1980年代に先輩たちが想い描いていた理想を実現したワインに違いありません。

まもなく、こちらでは2022年産ワインのアッサンブラージュが始まります。次回はその様子を報告したいと思います。

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※イギリスの著名ワイン雑誌「デカンター」での執筆を約20年務めたのち、現在は「ジェーン・アンソン・コム」を立ち上げた。