サントリー ワイン スクエア

霜、雹、干ばつ・・・心配続きの2022年、その品質は?

シャトー ラグランジュの桜井楽生です。

9月9日、シャトー ラグランジュでは赤ワイン用ぶどうの収穫が始まりました!平均的な年よりも、10日ほど早い収穫開始となりました。

皆様ニュース等でご覧になったかもしれませんが、今年の欧州は記録的な干ばつに見舞われました。8月には、フランス、スペイン、ポルトガル・・・各地で山火事が発生しました。また、ドイツではライン川の水位低下によって物流が阻害されるなど、各地で熱波や乾燥による被害が出ました。

さて、そんな猛暑と乾燥の中、今年のぶどうの品質はどうか?と気になるところかと思います。

「写真1」で、ぶどうの房の周りの葉が枯れ始めていたり、落葉しているのがわりますか?植物は厳しい乾燥状態になると、自ら葉を減らすことで、水分の蒸散を抑えて身を守ります。ラグランジュのぶどうたちは、極度の乾燥状態の中でもしっかりと環境に適応し、自らの身を守りつつ、子孫(ぶどうの実)を育むために頑張っています。この猛暑と乾燥の中、しかも水はけが良い土壌で、全く水を与えなくてもたくましく生命活動を続けているふどうたち。その姿を目の当たりにして、私も改めてその生命力の強さに感心してしまいました。

今年のぶどうは非常に小粒で、果汁分が少ないです。糖度は例年よりも高く、種のポリフェノールは成熟が早めに進んでいます。そして、病気の兆候は一切ありません!これは・・・高品質なワインが期待できる雰囲気が漂ってきました。

2022年は、4月の遅霜、6月の雹、そして夏の高温と干ばつ・・・と心配続きの年でした。ラグランジュでは、従業員の対応で霜害を逃れ、幸運にも雹には当たりませんでしたが、夏の高温と干ばつによる品質への影響がどうなるかと最後まで心配でした。しかし、その心配は、どうやら嬉しいサプライズに変わりそうです。

過去20年で、猛暑で収穫が早かった年というと、2003年、2018年などがあります。ラグランジュは、こういった年でもフレッシュ感がしっかりと残った、長期熟成能力を備えたワインをつくってきました。私たちのテロワールは、どんなに暑い年でも良いぶどうを生み出せる能力が備わっていると、私は強く感じています。これは、神が与えてくれた、シャトー ラグランジュの一つ魅力だと考えています。

赤ワイン用ぶどうの収穫は9月末頃に終了する見込みです。また次回の便りを、楽しみにしていてください。

シャトー ラグランジュのFacebook、Instagramでも、日々情報発信をしていますので、ぜひご覧ください。

Facebook:https://www.facebook.com/ChateauLagrange1855
Instagram:https://www.instagram.com/chateaulagrange/