サントリー ワイン スクエア

24年受賞ワインを味わって

2024.10.15記事: 岩田渉(アンバサダー)

皆様、こんにちは!サントリーワイン・ブランドアンバサダーのソムリエ 岩田です。今回は、2024年度に行われた数々のワインコンクールの中で、特に素晴らしい賞を受賞したワインをご紹介させていただきます。その中でも、サントリーとしてだけでなく、日本ワインとしてまさに快挙!というような結果もありましたので、本当に誇らしいことだと思います。

日本ワインコンクール

岩垂原のメルロの栽培者、山本博保さん

ではまずは日本を代表するワインコンクールであります、「日本ワインコンクール」の結果から紹介します。
銘柄    日本ワインコンクール
サントリーフロムファーム 登美の丘 ロゼ 2023          銀賞・部門最高賞
サントリーフロムファーム 岩垂原 メルロ キュベスペシャル 2020  金賞
サントリーフロムファーム 岩垂原 メルロ 2019          金賞

日本で最も影響力のあるコンクールと言っても過言ではない、この日本ワインコンクール。
今年(2024年)の開催で20回目を迎え、初年度である2003年の出品数が400本強であったのが、今年は941本のエントリーがあるなど、その数も初期の頃に比べると倍以上となり、日本中から出品された様々なスタイルのワインが厳正に審査されました。
その中でロゼ部門における最高賞を獲得したのが、登美の丘ロゼ2023。とても明るいピンク色をしたこのロゼワインはまさにロゼらしい「フレッシュ&フルーティー」なスタイル。とてもチャーミングであり、フルーツの味わいが口いっぱいに広がるような、とても親しみやすいロゼワインです。お料理がなくてもそのままワイン単体でも存分に楽しんでいただけるようなワインです!
 また塩尻ワイナリーからサントリーを代表する二つのメルロ、岩垂原メルロ キュベスペシャル2020、岩垂原メルロ2019が金賞を受賞しました。私も今年の4月に岩垂原の圃場を訪問しており、そのワインが名誉ある賞を受賞するのは大変嬉しく思います。
 特に岩垂原を含む、塩尻地区のメルロに関しては前々回のレポートでも紹介させていただきましたが、近年クオリティがますます上がってきていると感じます。その要因というのも、畑での色々なトライアルが確実に実を結んでいるからだと思います。垣根栽培への取り組みや除徐葉作業、そして有機物の畑への投入など、今後これらの取り組みがどんどん畑に浸透していくことで、よりクオリティの高いワインが生まれていくはずです。その過程の中で受賞したこの2つのメルロに関しては、ワインメーカーもブドウぶどう栽培農家さんも取り組んできたことに間違いがなかった、というのを証明してくれる最高のメッセージになったに違いありません。岩垂原メルロ2020、そして塩尻メルロ2019も銀賞を受賞しておりますので、まさに本年度の日本ワインコンクールはこの地区のメルロのためにあったと言っても過言ではないですね!

Decanter World Wine Award

DWWA2024で受賞したサントリーの甲州たち

 そしてこの日本ワインコンクール以上に快挙だったのが、DWWAとも呼ばれる「Decanter World Wine Award 2024」にて日本ワインとして過去最高の賞である「Best in Show」を受賞した、登美甲州2022です。
 Decanter World Wine Awardとは世界100カ国以上で発行されるイギリスのワイン専門誌「デキャンター(Decanter)」が、2004年から毎年開催する世界最大級のワインコンペティションです。毎年10,000点以上が出品され、その受賞結果が世界中から注目を集めます。そのDWWA24のサントリーの結果ですが、
銘柄 DWWA
サントリーフロムファーム 登美 甲州 2022     Best in Show(日本ワイン初)
サントリーフロムファーム 登美の丘 甲州 2022     金賞
サントリーフロムファーム 甲州 日本の白 2021     銀賞
上記のように様々なスタイルの甲州がこのDWWAで受賞しており、これについては次号のWataru Reportにて詳しく紹介させていただければと思います。
 登美 甲州 2022が、出品された18,000点以上のアイテムの中でも50点のみが受賞することができる同アワードの最高賞であるBest in Showを受賞した時のことは今でも鮮明に覚えており、SNS上のFacebookやInstagramなどで、ワイン業界関係者の皆がこぞってこのブレイキングニュースを取り上げており、その栄誉を皆で讃えていたのが記憶に新しいです。
 この結果というのは「甲州」という日本固有のブドウぶどう品種が品質的にも、そしてその個性的にも世界で改めて認められたことを証明する結果にもなり、サントリーだけでなく、甲州に関わる日本全国のワイナリーや栽培農家の皆様にとっても栄えあるものとなり、数多くの方々に自信を与えたことでしょう。
 歴史的なこの快挙ですが、先ほどの塩尻のメルロ同様に、まだまだ発展の途中であり、様々な取り組み、トライアルのもっと先には、更なる品質の向上やテロワールの緻密な表現などに繋がっていくと思います。

“本気で、世界で認められる品質を”

「FROM FARM」のコンセプトもますます浸透し、更なる成長を続けるサントリー日本ワイン。今後の活躍に期待するとともに、次号は多様性溢れる登美甲州などを中心にご紹介させていただきます!

ソムリエ 岩田渉

テイスティングコメント

高位受賞の4品

サントリーフロムファーム 岩垂原メルロ キュヴェべスペシャル 2020
高品質のメルロらしい熟度の高いピュアなブルーベリーやラズベリー。そこへカラメルのような芳醇な甘美な香りからアニスシードのようなスィートスパイスが溶け込む。
味わいはとても調和がとれており、きめの細かいファイングレインなタンニンがもたらすシームレスなテクスチャーが印象的。岩垂原らしい力強さも同時に兼ね揃える。

サントリーフロムファーム 岩垂原メルロ 2019
赤黒系のフルーツであるラズベリーやボイズンベリーのような香りに岩垂原の特徴でもある乾いた石を擦り付けたような香りのするややスモーキーなトーンが加わる。
味わいの充実感も素晴らしく、力強い凝縮感があり、密度の高い味わい。
タンニンのクオリティも申し分なく、メルロらしい噛み締めるような柔らかいタンニンが溶け込む、柔和でフルボディなワイン。

サントリーフロムファーム 登美 甲州 2022
スケール感が大きくなった香りの複雑性。柑橘系の中でも温州みかんのようなトーンに、花の蜜のような甘美なニュアンス。そこへお花のフレグランス、軽やかなトースト、驚くほど控え目な樽の調和。
フレッシュな酸、軽やかなフェノリックな味わい。甲州らしさをしっかりと残しながら、様々な要素が細かいディテールとなり、数多くのニュアンスを感じさせる。それらが高い次元にてバランスをとり、全体の味わいをしっかりとまとめ上げている。

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