何年も前の話になるが、日本とアメリカの若い人それぞれ何人かに12枚撮りフィルムが入ったカメラを与え「自分の大切なもの」を撮ってもらうというテレビ番組があって、日本の若者が撮ったのはコレクションした百本のマニキュアとか、大事にしているフランス製のセーターとか、古いベンツとかで、それに比べてアメリカの若者達の写真には友達や働くママや家族など人を写したものが多く、表現の仕方の違いともいえるけれど、それがひどく印象的だった。ところで、さて、いま私の大切なものは何だろう。端渓の硯?永年使い馴れたサンドウェッジ?贈り物に頂いた山崎?いえいえ、惜し気もなくとっておきの山崎の封を切り私は大切な人達と乾杯するつもり。
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