「河豚汁や鯛もあるのに無分別」と芭蕉翁はおっしゃっているが、小雪がちらつくような寒い夜は無性に河豚ちりの味が恋しい。大阪では鉄砲というくらいで、昔はよく当たったのだそうだが、今ではそれよりむしろお財布の方が心配だ。ところで今年話題の縄文人も、河豚は結構お気に入りだったようだ。しかもどこに毒があって、どう調理すれば大丈夫なのか五千年もの大昔に既にご存知だったというから恐れ入る。彼らのメニューには鰻や鯛や平目もあったようだし、ニワトコの実を発酵させた酒などもやってたらしく、縄文人もなかなかのグルメということになるが、さて白子の味は知ってたのかしらん。話だけでも河豚が肴で、山崎のロックが今夜もおいしい。
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