少々気の早い話なので鬼が笑うかもしれないが、まもなく節分。鬼は外、福は内と大声で豆を撒き鬼追い払って無病息災を願う。豆は魔目を打ち潰すという意味だとか。恐ろしいものを気にしないことを鬼を酢にして食うなんぞといい、通常鬼といえば邪悪な存在だが、鬼の霍乱(かくらん)、鬼の目にも涙、鬼も十八番茶も出花、と伝えられる鬼は結構愛嬌がなくもない。昔は福をもたらす鬼福同体のような鬼もいたらしく、例えば鬼瓦が魔除けに使われたのもその証拠。お馴染み一寸法師は鬼が持つ打ち出の小槌のお陰で大きくなった。さて、人も恐れる仕事の鬼もたまの休みはただの人。のほほんぼんやりグラス片手に夢を見る。夢の世間に鬼はなし。山崎があれば鬼に金棒。
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