白い鬚に赤い服、トナカイの橇という現在のサンタクロース像が定着したのは十九世紀だそうだが、どうして煙突から入ることになったかというと、どうやら冬を迎える前の煙突掃除を子供達に喜んで手伝ってもらいたいという、ちゃっかりした大人の知恵でもあったらしい。一方こちらは粋な計らい。子供達の夢を守るためフインランド郵政省は、一九六一年サンタクロースの住所を次のように定めた。
Mr.Santa Claus Joulupukin Konttori Napapiiri,96930 Rovaniemi,Finland今ではMr.Santa Claus Finlandだけでも届くらしいし、切手を入れておけば返事も来る。さてわが家のサンタは子供達が寝静まった後、ガラス製の煙突に磨きをかけて琥珀色のピュアな夢をほんの少々。
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