ある友人の話だが、コースに行ってみると約束していた相棒が急に来られなくなって、客も少ないので一人で回ることになった。広大なフェアウェイを独り占めするなど、我々アマチュアには滅多にない贅沢な体験である。気がつくと気分はゆったりとして、すべてのリズムがよろしい。余計な雑念もなく、普段とはまるで違ったゴルフをしていたという。ところが最後のホールになってこれがパーならパープレーということに気がついた。途端にいつもの自分に戻ってしまって、急に欲が出て力が入って、ティショットを左に大きく曲げた。面白い体験だったなァと、友人は笑ってグラスを干した。山崎なら、一人でも二人でもいい何人で飲んでもいつでもピュアだ。
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