闇雲に棒銀で突っ掛ける猪突猛進、相手にお構いなく黙々と矢倉組む安定志向、振り飛車美濃囲いとまずカタチから入るスタイリスト、筋違い角を好む臍曲り。勝負事は何でもそうだが、殊に将棋では性格がはっきり現れるから傍で見ていて面白い。ところで夏の風物詩のひとつ縁台将棋に近頃とんとお目に掛からなくなったなと思ってたら、最近では将棋はファミコンでするものらしい。なるほどねェ。しかしいくらご時世とはいえやっぱり将棋はピコピコより、できればカヤの盤にツゲの駒、ピシッと乾いた音立てて「王手!」といきたい。それでこそ暑気も吹き飛ぼう。と、こちらは傍目八目手持ち無沙汰で、そろそろ詰みそうな山崎のボトルにもう一杯王手。
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