舳先にあかあか篝火を焚き、鳥帽子、腰簑まとった鵜匠が鵜縄を巧みにさばいて一度に何羽もの鵜を操り、火の下に集まった鮎を生け捕る。おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな。鵜飼いは、和歌山の有田川、愛知の木曽川、福岡の筑後川などが有名だが、先陣切るのは岐阜の長良川。五月十一日に始まって十月十五日までという長丁場だから、鵜も四月の終り頃には早々と健康診断をすませ、一週間ほどシェイプアップした上で本番に備えるのだという。俗に鵜の目鷹の目というが、獲物を狙う鵜の目は青く鋭い光を放つそうだ。さて、こちらのシェイプアップは相変らず遅々としてはかどらないが、夕闇迫る頃ともなれば、早くも山崎のボトル狙って鵜の目鷹の目。
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