二十七日になると、街も新年を迎える準備にとりかかる。しめ飾りである。「しめ」は注連と書き、神の占有する区域を、明確に示すという意味である。縄はすべて左綯いにない七本・五本・三本と順に藁の端を出して垂らすことから七五三縄、端出の縄とも書く。しめ飾りには、いろいろな種類があり、特に最近では、藁を輪にした輪飾りや輪注連に人気が高い。豊作、豊漁を願って伊勢えび、だいだい、昆布などがくくりつけられる。左党の暮の準備には、ピュアモルトウイスキーがいい。人の手を介さず、ひたすら時の流れに身を委ねてきた十二年もの。混じり気のない琥珀色の一杯で、この一年の煤払いを。大願成就を願えばひときわ身体にしみる一杯となる。
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