いま何時か教えてはくれないけれども、時の「流れ」が目に見えるような楽しさが、砂時計にはある。昔はよく台所で小さなガラスのひょうたん形を見かけたものだが、近々なんと、一年間というものが出現する。砂の名所、島根県仁摩町。高さ五メートルのも及ぶ巨大な砂時計を、今年の大晦日にぐるっとひっくり返し、来年の元旦零時ジャストから時を計りはじめるという。まさに、大いなる時の流れを見せてくれることだろう。気がつけば今年もあと一週間あまり、夜ごと手にするボトルのなかも見る見る少なくなってきた。十二年という歳月が込められた、このピュアモルト。次の一本は新たなる一年の訪れとともに、思いを込めて、封を切ることにしよう。
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