冬になると、西へ向かう飛行機は遅くなる。東へ向かうと逆に速くなる。たとえば東京-鹿児島便の場合、夏は往復どちらも1時間40分で到着するのに、冬は鹿児島行きが1時間50分、東京行きは1時間30分と、20分もの開きが出てくる。航空会社に聞いてみると、これは冬場になると上空の偏西風が強くなり、向かい風や追い風の影響に抵抗しきれないからなのだそうだ。自然の力というのはたいしたものである。無視しなさんなということか。さて、カレンダーの残りも少なくなって、日常のテンポがついつい速くなりがちなときには、ピュアモルトのグラスを手に、大きな時間の流れに歩調をあわせてみることにしている。自然のリズムに戻っていくようだ。
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