銭湯がちょっとしたブームらしい。いま全国の銭湯は、昭和30年代の約半分。でも頑張ってるお風呂屋さんも多いのだそうだ。「ふろ」は「むろ」から転じた言葉で、「むろ」は蒸し風呂のこと。蒸し風呂はもともと寺院建設の一部で、仏教と共に伝来したという。浮世の垢を流すというが、入浴にはただ身体の汚れを落とすだけではない意味合いがあったのだろう。昔のお風呂屋さんの建物が、宮造りの、ああいう手の込んだ堂々たる構えであったのは、つまりその名残ということなのかしらん。ところで、知人で自宅の風呂に富士山の絵を描かせた人がいるが、風呂の背景は、やっぱり富士山がいい。そして湯上りにうまい水割りがあれば、浮世の垢もきれいさっぱり。
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