心理学のユングは、子供の頃小石が好きで、石コロを大事に土の中に埋め、時々掘り出しては積み重ねる遊びに夢中になったそうである。誰にでも経験のありそうないかにも子供らしい遊びだが、ユングが私達と違うところは、大人になってもそれをやめなかったことだろう。よく湖畔の小石を拾い集め、積み上げては崩す建築遊びをすることで、自分の心の中にあったさまざまな空想を捉まえることができたと彼は述懐している。そしてそれは、何かある考えをはっきりとカタチにし、仕事として成し遂げるための儀式のようなものになったという。ところで私の場合は、休日の午後、ピュアモルトのグラスを幾度も満たす例の儀式が、丁度それにあたるのかな。
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