相撲の土俵がまるくなったのは、室町時代のことらしい。もしこれが三角や四角であったら、相撲はまるで違ったものになっていたことだろう。現在は内容十五尺というから四米五五糎。丁度俵を二十俵まるく並べるとこの大きさになる。その十五尺の土俵が、近頃はどうも小さく見える。大型力士が増えた。なにしろ幕内だけでも一五〇キロを超すお相撲さんが二〇人もいるそうだ。しかしその分相撲技が単調になったような気がする。今は滅多に見られなくなった櫓投げなどの荒技や、河津掛け・外無双などというシブい技にもたまにはお目に掛かりたいものだと、千秋楽の土俵をテレビで観ながら直径八糎ばかりのグラスの円の中で、私は独り相撲を取るのである。
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