人はともすると「遊ぶ」の反対側に「働く」という言葉を置きたがる。けれど見方を変えると、この二つはむしろ同意語のようなものだといっていいのかもしれない。「仕事と遊びは、どちらも同じものを指している。違った条件のもとでの」といっているのは、あの遊びの名人トム・ソーヤーやハックルベリを生んだ作家マーク・トウェインである。同じ事でも、しなければならないのが仕事であり、しなくてすむのが遊びであるとすれば、仕事を遊びのよう心から楽しむことができるということは、間違いなくひとつの才能だろう。ただし、休日の午後の、琥珀に揺れるピュアモルトの一杯に匹敵するような魅惑的な仕事は、そうざらにあるわけではないけれど。
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