蒸溜で出来たニューポットを樽の中で長期間じっくり寝かせる。これが貯蔵という工程。
そして3年、5年、10年。ウイスキーの琥珀色、奥深い味わいの秘密はこの貯蔵、樽熟成にある。
樽は樽材、内面の焼き方、大きさなどの違いによってさまざまな種類があり、樽材にはホワイトオーク、スパニッシュオーク、ミズナラ、樽の大きさではパンチョン、シェリー樽は約480L、ホッグスヘッドは約230L、バーレルは約180Lなどがある。これら多様な樽で ウイスキー原酒は長い眠りにつき、貯蔵環境(気温、湿度)によっても熟成の度合いが微妙に変化し、複雑な反応を見せ、多彩なウイスキー原酒が生まれるのである。
樽熟成のメカニズムはまだ解明されていない部分もあり、「時の技」と神秘的に語られ、そのロマンがより味わいを深める理由であるといえよう。樽で熟成されたモルトウイスキーは麦芽の種類、酵母の種類、蒸溜方法、樽の種類、貯蔵場所、貯蔵年数などさまざまに組み合わされ、掛け合わされ、多岐にわたる。製品化する時はこれらの中から数十種類のタイプに分け、樽からウイスキーを取り出していく。