印象に残る施策で会社を盛り上げる健康経営
日本の大手映像・音楽ソフトメーカーとして、エンタメ業界を牽引する株式会社ポニーキャニオン。従業員の健康維持・増進のためのさまざまな取り組みを行い、2023年にレコード会社で初となる「健康経営優良法人」に認定されました。今回、同社がサントリープラスを導入したのは、従業員が健康に関心を持つきっかけになればと考えたからだそうです。エンタメを取り扱うからこその社内告知の仕方など、現場での活用方法やその効果についてお聞きしました。
取材日:2024年4月26日
江本 真菜さん
株式会社ポニーキャニオン
人事総務本部
人事総務2部
田中 功さん
株式会社ポニーキャニオン
人事総務本部
人事総務2部 マネージャー
古宇田 隆之助さん
株式会社ポニーキャニオン
人事総務本部
人事総務2部 部長
楽しみながらタスクに取り組むことで、健康への関心づくりにつなげたい
― サントリープラスの導入のきっかけを教えてください。
田中さん:
少しでも従業員が健康に関心を持つきっかけになればと思ったからです。当時、喫煙・飲酒の対策などを始めとした健康施策に取り組むなか、根本的な健康への興味関心づくりに課題を抱えていました。サントリープラスを通し、「階段を使う」「水を飲む」など、体のために日々実践してほしいことをタスクとして達成してもらうことで、健康への関心づくりにつながればいいなと考えました。
実際に導入してみると、手軽に健康に向けた取り組みができると参加する人がいたり、ゲーム感覚でタスクを楽しむ人がいたりと、健康への意識が日常に浸透してきていると感じています。健康経営を社内に周知するという意味でも役に立っています。
江本さん:
タスクの種類の多さに加え、タスクそのもののハードルも低いため、皆さん楽しく取り組まれています。さらに、タスクを1つ達成するとすごく褒めてくれることも、エンタメ好きな弊社の社員には合っている点だと思いました。
古宇田さん:
サービスを知ったきっかけは、サントリーの営業担当者からの紹介でした。今のオフィスに移転した際、自販機の導入でお世話になったご縁から、サントリープラスの導入も支援いただきました。
― 導入時にハードルとなることはありましたか?
田中さん:
社内の導入ハードルは特にありませんでしたが、従業員の皆さんがアプリをダウンロードしてくれるかは不安でした。イントラネットやサイネージでの告知、自販機へのポップ掲載などでアピールしたところ、結果的に多くの方がアプリをダウンロードしてくれました。スターターパックを利用していたこともあり、「アプリをダウンロードするだけで、健康飲料を何本ももらうことができる」という口コミも広まっていたようです。
アプリの使いやすさもダウンロードを後押ししました。直感的に操作できる仕様のため、操作方法について私たちが周囲から聞かれることはありませんでした。皆さん、ポップやチラシを見ながら、問題なく使っていたようです。
― サントリープラス導入により、どのような効果がありましたか。
江本さん:
コミュニケーションの活性化です。例えば、サントリープラスでは「たい焼きのしっぽと頭のどちらから食べる?」などの2択から選ぶ「健康フェス」が定期的に開催されています。実際に私の部署内でも「どっちに投票しました?」という会話が生まれ、口コミが広がることで多くの人がアプリを開くきっかけになりました。
特に効果を感じたのは、チーム対抗の社内ウォーキングイベントである「歩こうフェス」を開催したときです。部署ごとにチームを分けたため、部署内は盛り上がると予想していたのですが、部署の垣根を越え、全体のコミュニケーションに発展することまでは正直想像していませんでした。弊社は従業員の年齢層が幅広いのですが、今回の参加者は40〜50代が多かったです。
フェスの期間中は毎週、部署(チーム)と個人のランキングを発表していました。ランキング上位の人たちを見て、「隣の部署のAさんがすごい」「Bさんみたいに私も頑張ろう」と盛り上がる人もたくさん。ランキング上位者の中には、デスクワークの多い部署で働く方もおり、「いつこんなに歩いているの?」とコミュニケーションが生まれることもありました。その方が、「帰りは本社から5〜6駅先まで歩いています」と話していたときには、「私もやってみよう!」と刺激を受け、実践した方もいました。
他にも「週末、〇〇まで歩いてきたよ!」「帰宅後、△△までウォーキングするんだ」と社内で話しかけられることが増えました。健康はもちろん、社内交流が足りてないように感じていたので、こういう会話が出てきたのは嬉しかったです。開催後も反響があり、ついこの間も「またフェスやってよ!」と言われました。初めてのフェスで準備や告知も手探りでしたが、社内外の多くの方々の協力で皆さんに喜んでもらえるイベントになったと思います。歩こうフェスを開催して本当によかったです。
歩こうフェスで利用者が16%増加。部署を超えての交流など、予想を超えた反応も
― 歩こうフェスが社内に大きな影響を与えたことが伝わってきました。今回、歩こうフェスを開催しようとした背景について教えてください。
江本さん:
健康経営の施策について各社の取り組みを調べるなかで、ウォーキングイベントは従業員の健康はもちろん、コミュニケーションの活性化にもつながると思ったからです。サントリープラスで実施しようと決めたのは、当時すでにサービスを導入していたこと、加えてフェスを機会にサントリープラスの利用者をもっと増やしたいと考えたからです。
ちなみに、今回の歩こうフェスは有料の「充実プラン」です。当初は無料のお手軽プランを検討していましたが、「せっかくやるなら、より盛り上がった方がいい」という部署の皆さんからの後押しもあり、充実プランで開催することにしました。
田中さん:
充実プランを推したのは、こちらの方がインパクトが大きく、より従業員が喜んでくれると感じたからです。例えば、充実プランを利用すると、参加賞として健康飲料と交換できるクーポンが配布されます。普段運動をしない人たちの歩くモチベーションに少しでもつながればと思いました。
― 実際に、初めての歩こうフェスを開催してみてどうでしたか?
江本さん:
年明けの1月上旬から2月上旬にかけて約1ヶ月間、開催しました。最初の週は、正直参加率は高くありませんでした。年明けの最初の週だったこと、かつ告知タイミングが年末の最終出社日ぐらいだったためか、参加してくれたのはごくわずかで。当初、社員の半数近くは参加してくれると予想していましたが、このタイミングで参加してくれたのは60名ちょっとでした。
参加者を増やすためにはもっと周知をしないとと思い、自販機のポップ作成をはじめ、社用PC上にポップアップを表示、各フロアにあるサイネージ、チャットツール上で配信している人事総務通信などでもフェスをアピールしました。部署の皆さんにも協力してもらい、部長以上、役員全員が出席する月イチ開催の本部報告会という会議体や安全衛生委員会などでも告知してもらいました。
すると参加者が次第に増えていき、最終的には100名近くの従業員が参加してくれました。ここまで人数が増えたのは、口コミ効果も大きかったと思います。すでにアプリをダウンロードした人が周囲に話してくれたり、部署によっては興味を持ったメンバーが率先して周囲を巻き込んでくれたり。
従業員の皆さんの反応は、私自身のモチベーションにもつながりました。私はほぼ毎日、サントリープラスNavi(管理画面)でタウンロード者数とアクティブユーザー数を確認しています。このとき、一緒に確認をしているのが、「従業員の声」の画面です。「飲料クーポンがもらえてよかった」「気軽に使える」など、どれも1行ぐらいのコメントではありますが、皆さんが楽しみながら使ってくれていることを実感できました。歩こうフェスのときは「企画ありがとう」「歩くきっかけになりました」というコメントがあり、開催して良かったと思いました。
健康経営においてさまざまな施策を実施する中で、反響を知ろうにも、従業員から意見を吸い上げるのは正直大変です。業務の多忙さもあり、社内アンケートを実施しても、全員が答えてくれるわけではありません。サントリープラスで施策を実施すると、開催後に従業員の意見を聞くことができるので、今後の施策にも活かしやすいと思いました。次回は参加者が100名を超えるように、頑張りたいです。
古宇田さん:
歩こうフェス開催まで、アプリのダウンロード数が伸びずに悩んでいました。最初の目標である40%はすぐに達成できたのですが、そこからが伸びなくて。今回、江本がいろいろと仕掛けてくれたおかげで、歩こうフェスをきっかけにダウンロード数は56%まで伸びました。
経営層や若手層を巻き込み、会社一体となって健康経営へ
― 引き続き、歩こうフェスは開催されますか?
江本さん:
今回の経験を活かし、継続的に開催したいと思っています。その際に、私が挑戦したいことは3つあります。1つ目は、20代〜30代の健康に関心の薄い層を巻き込むことです。今年は、健康診断の直前である10月上旬と年明けのちょっと脂肪がついたなという時期に歩こうフェスを開催する予定ですが、10月のフェスでは健康診断を控える35歳未満の方も巻き込んで開催できたらと考えています。
2つ目は、経営層の巻き込みです。社長賞などをつくることで、皆でやろうよ!という雰囲気になるかなと。経営層の方たちにも、今回以上に積極的に参加してもらえたら嬉しいですね。
3つ目は、インセンティブ面の工夫です。普段から歩いている人とそうでない人とでは、最初の1週間でかなりの差が生まれます。上位入賞を目指し歩くことも大切ですが、人によっては無理をして足を壊しかねないと思っていて。1日3000歩でも継続して歩く方が大事なので、例えばゾロ目の順位の人には抽選でギフトカードを配るなど、頑張って歩こうとする人のモチベーションを維持できるような企画を準備したいです。
― 今後、サントリープラスをどのように活用していきたいか教えてください。
江本さん:
私と同じ20代の従業員に、少しでも健康に興味を持ってもらえるような施策を打ち出していきたいです。世代的に病気にかかることも少ないため、自分とは関係ないと考えている人は少なくありません。そんな人たちにも、気軽にサントリープラスを使ってもらえるようにしたいです。
さまざまな人に「歩こうフェス」に参加してもらうためにも、次回のチーム分けは、年代別にしようかとも考えています。部署によっては参加者が0人のところもあったため、部署内に歩こうフェスについて知っている人が1人はいる状態をつくれたらと思案中です。また皆さんからの声を踏まえ、花粉症の時期の開催を避け、期間も3週間程度とすることで、より多くの人に参加してもらいやすいイベントにできたらと思います。
開催前には、歩くメリットについて知ることのできる、簡単なオンラインセミナーの開催も検討しています。「アプリをダウンロードしてください!」と、その場で言えるぐらいにしたいですね。歩こうフェスなどのイベントを通し、サントリープラスの良い点を知ってもらうことで、そのまま習慣化し、毎日の生活で利用してもらえるよう、引き続き頑張ります。
― 最後に、健康経営を進めるなかで大事にしていることを教えてください。
古宇田さん:
一番大事にしているのは、従業員とそのご家族も含め、元気に健康で生き生き働いてもらうことです。その施策の一環として、2022年から「健康経営優良法人」に向けた活動を始めました。2024年の認定獲得を目指し準備を進めるなか、結果的に2023年から2年連続で認定を受けることができました。
エンタメ会社は、残業が多い、休日が少ないなど、忙しいというイメージを外部からは持たれています。実際に弊社が健康経営優良法人の認定を受けるまで、レコード業界で認定を受けた会社はありませんでした。同じエンタメ界隈でも、映像や映画業界では認定されている企業がすでに何社かあったため、レコード業界で初めての健康経営優良法人になることを目指しました。
認定を受けるために、健康経営を推進する組織の組み立てを見直したり、課題を1つずつクリアしたりしながら、要件を満たしていきました。特に弊社では超過労働が問題となっていたため、音楽やライブなどの各部門の関係者と話し合いながら、人員補充や業務の外部委託などいろいろな対策を講じていきました。
こうした健康課題に向き合うにあたり、サントリープラスは、従業員が健康に興味を持つきっかけをつくり、意識変化に貢献してくれたと思います。多くの従業員がアプリをダウンロードしたことで、健康への意識が広く浸透するようになりましたし、習慣化という点でも寄与してくれています。
女性の健康や喫煙の問題、高齢層の健康対策など、まだまだ取り組むべき課題は山積みですが、引き続き、丁寧に向き合っていきたいです。
サントリープラス開発チームより
「従業員が健康に関心を持つきっかけになれば」という思いで、サントリープラスの導入を決めたポニーキャニオン様。歩こうフェスを中心に健康への意識づけやコミュニケーションを生むきっかけづくりにご活用いただいています。歩こうフェス充実プランは無料でトライアルいただくことも可能なので、気になった方は歩こうフェス紹介ページよりご確認ください。(サントリープラスNaviのアカウントをお持ちでない方はこちらの歩こうフェス紹介ページをご覧ください。)