紅茶って、元々はウーロン茶だったということをご存じでしょうか?その壮大なウーロン茶の世界史を、ここでは順番にお話しします。またクイズにお答え頂き全問正解された方には、全問正解認定書が与えられます。ぜひチャレンジしてください。
ヨーロッパに渡ったお茶は、主に王室や貴族たちを中心に広がっていきます。中でも、緑茶のような無発酵茶より、ウーロン茶などの発酵茶をヨーロッパ人は好みました。こうした発酵茶への需要が、紅茶の誕生を後押ししたのではないかと考えられています。紅茶の成り立ちには諸説あり、いまだ議論が続いていますが、福建省と江西省との省境に近い星村鎮桐木村で作られる「正山小種」が始まりという説があります。ただしこの正山小種、最初から紅茶を作ろうとして生まれたものではなかったのです。
「正山小種」が生まれた経緯には、こんな伝承があります。17世紀中頃、時代が清へと移行する混乱期に、桐木村へ北方の軍隊が進行してきました。軍隊は、駐屯地として茶工場を選んだため、おりしも茶作りの時期ではあったのですが、工場の人々は作業を途中で切り上げ、工場を明け渡したのです。戻ってみると、茶葉は発酵が進みきって、紅く変色していました。そこで、茶葉を無駄にしないために、工場の人々は茶葉をもんだ上で、乾燥を進めるためこの地で多く生える松の木を燃やして燻したのです。