紅茶って、元々はウーロン茶だったということをご存じでしょうか?その壮大なウーロン茶の世界史を、ここでは順番にお話しします。またクイズにお答え頂き全問正解された方には、全問正解認定書が与えられます。ぜひチャレンジしてください。
こうしてウーロン茶の歴史をひも解くと、いわば明(1368-1683年)の時代の歴代皇帝が、よりおいしいお茶を追い求めたことが、お茶の進化を進め、ウーロン茶を誕生させたといっても過言ではないはずです。それは「ウーロン茶」という名前からもうかがえます。一説ではウーロン茶という名は、茶葉がカラスのように黒く、龍のようにねじれているところから命名されたと言われています。ただ、この「龍」という文字は、天子(皇帝)を指す言葉で、一般人は軽々しく「龍」の絵や言葉を用いることができませんでした。このことからも、ウーロン茶は「皇帝へ献上するため」に生まれたお茶だったのではないかと考えられます。
実はウーロン茶は、中国でも生産地である福建省と広東省の一部だけでしか飲まれません。その最大の理由は、ウーロン茶が皇帝への献上茶として誕生し、庶民のために作られたお茶ではなかったからです。ウーロン茶はその他のお茶と比べて製造工程が複雑なために人手がかかり、中国では大変高価なお茶です。近年のオークションでは、「大紅袍」と呼ばれる最高品種の原木の茶20gに、250万円もの値がついています。大紅袍の原木は3本しかなく、いずれも樹齢400年を越えています。この大紅袍を絶やさないために古木から3本が取り木されましたが、生産量は年間で1kg程度。世に出回っている大紅袍は、この6本からさらに挿し木し繁殖させたものです。