インタビュー
現在、担当している仕事は何ですか?
新たな機能性素材を探索し、その有効性を評価する仕事に携わっています。現代社会において、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病の増加、さらには医療費の増大など「健康」にかかわる多くの問題を抱えています。その中でお客様の健康の維持・増進に貢献するためには、確固たるエビデンスに基づいた研究が必要とされており、私はそのデータ取得に向けて研究を進めています。サントリーではゴマ由来のセサミン、黒烏龍茶の烏龍茶重合ポリフェノール(OTPP)、伊右衛門特茶のケルセチン配糖体など数多くの機能性素材の研究開発が行われてきました。先輩方が研究してきた技術を活かしつつも、例えばこんな素材を使ってみてはどうだろうか、こんな新しい効能はないだろうか、など日々新たな心を持ち続けながら研究に取り組んでいます。
今までのキャリアについて聞かせてもらえますか?
入社時は清涼飲料、特に機能性飲料(DAKARAなど)の商品開発に携わっており、機能性素材を配合した飲料において、健康でありながら美味しくするための中味づくりを行ってきました。現在はさらに一歩前の段階である機能性素材の探索や有効性評価の基盤研究を行っています。機能性素材に対して、基盤研究・商品開発の両面からのアプローチを意識しながら業務に取り組んでいます。
仕事で印象に残っていることはありますか?
新しい機能性をもつ素材を探索するためには、新しい評価方法を立ち上げる必要があります。0から新しいものを作ることは非常に難しく、何度も何度も試行錯誤を重ねたものの失敗の連続でした。そんなときに自分で論文を読むだけではなく、チームメンバーでのディスカッションや外部機関へのヒアリングなど外に目を向けることで、なんとか評価方法を立ち上げることができました。
学生の頃は周りに基礎研究をしてきた人が多かった一方で、現在同じグループには過去にビールの開発をしていた方、品質保証をしていた方など様々な経歴を持つメンバーがいます。別々の視点から物事を見ることで、意外な糸口を見つけることができ、研究の面白さを改めて実感しました。
サントリーで実現したい夢は何ですか?
私は学生時代に大道芸人として活動しており、目の前のお客様にどうやったら驚いてもらえるんだろう、どうやったら笑ってもらえるんだろう、と日夜研究に励みつつもその難しさを実感してきました。目の前のお客様ですら難しいのに、ましてや話したこともない方々に商品を通じて「驚き」や「楽しさ」を提供することは、一筋縄ではいかないことだと感じています。そんな無謀ともいえるチャレンジですが、「これを飲んだらこんなにいいことがあるんだ!」と驚いてもらうこと、楽しんでもらうことを夢見て研究に取り組んでいます。
商品開発を行ってきたときは幸いなことに自分の携わった商品を世の中に送り出すことができましたが、現在私が研究している素材の中で、商品に使う段階まで進められたものはまだ一つもありません。これからもっと経験を積んで、新しい価値を持った機能性素材を見出し、そしてお客様に喜んでいただけるような商品を一日も早く提案できるようになりたいです。
ある日のスケジュール
- 8:30
- 出社、スケジュール・メール確認
- 9:00
- 効能評価実験
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 新価値創造のためのグループ内
ディスカッション
- 15:00
- プロジェクト打合せ
- 17:00
- 当日の実験データ整理・解析、翌日以降の実験計画
大学での打合せに向けた資料作成
- 19:00
- 退社