一般財団法人音楽の力による復興センター・東北

「仙台クラシックフェスティバル街なかコンサート」

  • 実施日時
    2013年10月4日(金)12:00
  • 実施場所
    仙台トラストタワーエントランスホール
  • プログラム

    <街なかコンサートin仙台トラストシティ>

    モーツァルト:『魔笛』より「私は鳥刺し」「夜の女王のアリア」他

    エルガー:愛の挨拶

    いきものがかり:ありがとう  他

  • 出演

    山元康生、櫻井希(フルート)


  • 実施日時
    2013年10月5日(土)11:00/12:00、10月6日(日) 11:00/12:00
  • 実施場所
    ヤマハミュージックリテイリング仙台店前
  • プログラム

    <街なかコンサートinヤマハ仙台店>

    1)
    松尾善雄:虹色の風
    メンケン:A Whole New World
    タケカワユキヒデ:銀河鉄道999  他

    2)
    葉加瀬太郎:情熱大陸
    グレインジャー:ロンドンデリーの歌
    イングランド民謡:グリーンスリーブス  他

  • 出演

    1) 岩沼市立岩沼中学校吹奏楽部
    2) 宮城県亘理高等学校吹奏楽部


  • 実施日時
    2013年10月5日(土)11:00/12:00/14:00、10月6日(日)11:00/12:00
  • 実施場所
    AERアトリウム
  • プログラム

    <街なかコンサートin AER>

    1)
    大友良英:「あまちゃん」オープニングテーマ
    フィンガー5:学園天国
    宇野誠一郎:ひょっこりひょうたん島 他

    2)
    ブラームス:ハンガリー舞曲
    フォーレ:シチリアーノ
    サンサーンス:白鳥  他

    3)
    トッド:ミッキーマウスマーチ
    メンケン:ア・ホール・ニュー・ワールド
    ハーライン:星に願いを  他

  • 出演

    1) 宮城県志津川高等学校音楽部
    2) シュテルン・トリオ(井上俊次(ファゴット)、岩沢あいら(フルート)、星由貴(ピアノ))
    3) 宮城県宮城野高等学校吹奏楽サークル

「せんくら」の愛称で親しまれている仙台クラシックフェスティバルの第8回が、10/4(金)~6(日)の3日間開催されました。そのなかの「街なかコンサート」でウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞を受賞し、賞状が音楽の力による復興センターの大澤隆夫氏(写真向かって左)へサントリー芸術財団の音楽事業部長の佐々木亮より手渡されました。

主催者からの報告をお届けします。
この活動は、音楽を通じた震災復興支援を目的として開催しました。演奏する人も、演奏を聴く人も、音楽が本来持つみずみずしい力にふれて元気になってほしいと願う企画です。宮城県沿岸部の津波被災地域にある学校の吹奏楽部と地元ゆかりのプロの演奏家をお招きしました。また、今回の3会場は2011年4月から6月にかけて仙台フィルをはじめとする地元音楽家の有志たちが連日、のべ100回近く「復興コンサート」を行なった場所です。震災から2年半を経過したいま、この思い出の場所で、あらためて音楽が持つ素晴らしい力をお届けしたいと考えました。
仙台フィルハーモニー管弦楽団フルート奏者の山元康生さんはこの9月に岩手県大槌町や釜石市で被災した方々のために演奏してきたばかりです。若手気鋭のフルーティスト櫻井希さんも復興センター主催の復興コンサートほか、各地で復興支援の演奏活動をしています。師匠と弟子の共演は文字通り息もぴったりで、フルートのやさしい音色は客席を包み込み、観客を魅了していました。読売日本交響楽団の首席ファゴット奏者、井上俊次さんは石巻の出身です。東松島市のフルーティスト岩沢あいらさんと石巻市のピアニスト星由貴さんと共に「シュテルン・トリオ」として出演しました。このトリオで震災直後に被災地を巡って演奏したそうです。3人の奏でる音色はとても柔らかく温かなもので、天井の高いアトリウムの空間に響き合い、溶け合っては消えていく様子がとても美しかったです。

仙台の市街地、しかも赤ちゃんからお年寄りまでたくさんの人が行きかうオープンスペースでの演奏は吹奏楽部の生徒たちを緊張させてしまったかもしれません。思うような演奏ができず悔しかったのか、演奏後に泣き出す生徒もいました。しかし、観客の笑顔と拍手に励まされ、どの学校もしっかり演奏を終えました。生徒たちは少し照れくさいような、でも晴れ晴れとした表情で喝采を浴びていました。顧問の先生から「人前で演奏を披露する機会が少ないので、貴重な経験になりました」「今後の部活に良い刺激になると思います」とのお言葉をいただきました。

基金の事務局として一部の公演に伺いましたが、演奏者自らが曲の紹介をする暖かく親しみやすい雰囲気で、開演前から演奏を待つ人、偶然通りかかって足を止めて聴く人でどんどん輪が大きくなり、1曲1曲に惜しみない拍手が贈られました。津波被災地域の志津川高等学校の生徒達は、まだまだ厳しい環境の中ですが、元気に練習を続けることを約束してくれました。