北海道農民管弦楽団
「北海道農民管弦楽団 第19回定期公演 花巻公演」
- 実施日時
- 2013年1月27日(日)13:30開演
- 実施場所
- 花巻市文化会館大ホール(岩手県花巻市)
- プログラム
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・1部
(指揮=牧野時夫) シュトラウスⅡ:美しき青きドナウ
ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より「だったん人の娘の踊り」「だったん人の踊り」<賢治の夢見た2つの楽団の共演>(農民オーケストラ&金星少年少女オーケストラ)
(指揮=南紳一) 「ばらのつぼみ」「カルメン行進曲」「凱旋行進曲」
・2部
(指揮=牧野時夫) 牧野時夫:星めぐりの歌(宮沢賢治作曲)による幻想曲
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」<アンコール> シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲
- 出演
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北海道農民管弦楽団(69名)、東北農民管弦楽団(15名)
金星少年少女オーケストラ(29名)
「北海道農民管弦楽団」は、1994年夏に脱サラ農民3名からスタートし、1995年1月に第1回の演奏会を実現。
以降、年々仲間を増やし、現在約70名で、毎年農閑期の11月頃から練習し毎冬1回の定期公演を北海道内で続けています。今年はその19回目にあたりますが、「鍬で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーとする楽団にとって、いつかは訪れたかった宮沢賢治(今年没後80年)の故郷の花巻市で開催。国内(2011年にデンマーク)では初の北海道以外の公演となりました。
そこで今回は、その暖簾分け的存在の「東北農民管弦楽団」と更には宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」から命名した「金星少年少女オーケストラ」との夢の共演というビッグ・プロジェクトを企画。演奏された皆さんは不安だったそうですが、とてもすばらしい演奏で、約700名の聴衆は熱心に聴き入っていました。
花巻市には被災された方が避難し仮設住宅に多く暮らしているそうです。10代から70代と幅広い楽団メンバー同様、お客様も幅広い年齢層でした。公演に先立ち、岩手県の団体より「第22回農民文化賞」の贈賞も行われました。また、トロンボーン奏者達が立ち上げた東日本大震災応援の「A SONG FOR JAPAN」の演奏や、宮沢賢治ゆかりのゲストとのトークもあり、充実した公演となりました。
「陸前高田市立高田小学校 第3回家庭教育学級」としてコンサート
- 実施日時
- 2013年1月28日(月)11:30~12:45
- 実施場所
- 陸前高田市立高田小学校体育館
- プログラム
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野村聡(編曲):カノン2001(「千と千尋の神隠し」主題歌)
バッハ:G線上のアリア
アンダーソン:プリンク・プランク・プランク
久石譲:魔女の宅急便より「海の見える街」(木管五重奏版)
ヴィヴァルディ:四季より「冬」
山田耕筰:ペチカ<合唱とともに>校歌、ビリーブ
菅野よう子:花は咲く<アンコール>シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲
- 出演
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北海道農民管弦楽団 20名
定期演奏会の翌日は、震災の被害の大きかった陸前高田市にある高田小学校へ訪問。
児童の保護者達が主催する「家庭教育学級」としてコンサートに出演されました。
参加した約310名の児童の中から数名に感想を聞いたところ、「テレビなどで聴くより、ものすごくきれいな音だった。」「ヴァイオリンを弾いてみたくなった。」と、初めて聴く生のオーケストラの音に感動していました。
この日のために牧野代表が借りてきたヴァイオリンは、陸前高田の瓦礫の中のエゾマツとカエデから作ったもので、裏には「奇跡の一本松」が描かれています。その話題を知ったカナダのテレビクルーも取材に来ていました。
今、カナダの海岸に東日本大震災の瓦礫が漂着し、カナダでも同様に楽器を作れないかという話も出ているそうです。帰路は海岸沿いをバスで走りましたが、壊れたままの建物や瓦礫の山、すっかり何もなくなった平地の繰り返しがずっと続き、広範囲に渡る被害を改めて知りました。