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お客さんが棚から商品を手にとる。その光景が明日への活力に!
「伊右衛門」のような商品をつくりたい

アルバイト先のコンビニで「伊右衛門」が爆発的にヒットして、見る見るうちに棚が空になっていく光景を目の当たりにした。そのとき受けた衝撃が就職活動を控えていた一人の学生の人生を決めた。「私も伊右衛門のような商品をつくりたい」──その願いは叶って今彼女はサントリーの飲料開発設計部で嗜好飲料の中味開発をしている。
一つの商品の中味が完成するまでには研究開発の地道な作業が続く。生産実験がうまくいかず徹夜することもあるが、その苦労が報われることはそう多くはない。「日の目を見ない商品もありますし、発売まもない商品が売れ行きが悪く、棚から撤去されていて愕然としたこともあります」。
商品の入れ替わりが激しい飲料ではお客さんの嗜好に合った息の長い中味を開発するのは至難の業なのだ。それだけに、商品が店頭に並んだときの達成感や商品を手にとっている人を見かけたときの満足感はひとしお。そこには中味開発者にしか味わえない感慨がある。そしてそんなときには、発売以来愛されつづけ、人気商品としての地位を確固たるものにした「伊右衛門」のすごさを改めて感じるという。「いつかきっと伊右衛門を超える商品をこの手で生み出したいと思っています」。

中味開発の醍醐味を教えてくれた「抹茶ラテ」

現在はスターバックスとの共同開発ブランド「ディスカバリーズ」の担当である。これまで手がけた中で一番思い入れのある商品は、初めて一から携わった「抹茶ラテ」だ。「味が好評だったのも理由の一つですが、中味開発という仕事の大変さと醍醐味を味わえたというのが大きいですね」と当時を振り返る。シアトルにあるスターバックス本社と週1回のテレビ会議で議論を重ね、スターバックスサイドの意向を尊重しながらも主張すべきときは主張し、最良の着地点を目指した。「中途半端に妥協するとよい商品は生まれませんし、相手の信頼も得られませんから」。
開発現場でもやるべきことは多かった。まず、数ある抹茶の中から「ミルクリッチで濃厚な味わい」というコンセプトに相応しいものを選び、原料メーカーに粉末のクオリティを高めてもらうよう交渉する。その後は研究所のラボで理想の中味を求めて中味試作と試飲をくりかえす日々。その過程で「この商品は売れる」と思った瞬間がある。「何十回目かわからない試飲の後、あっ、これ、スターバックスの『抹茶 クリーム フラペチーノ』だ」と感じたんです。なんともいえない高揚感と同時に確かな手応えを感じました」。これこそ中味開発の醍醐味である。

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