2013年10月16日
#350 塚本 健太 『試合のメンバーに入り続けるために』
サンゴリアス・オフィシャル・ガイドブック(試合会場でお配りしている選手名鑑)では、先週登場した竹下選手の隣に並んで、全選手のいちばん最後に登場する塚本健太選手。そのガイドブックではフルバックとして紹介されていますが、今期新人としてシーズ4戦目のデビュー戦は、センターで途中出場を果たしました。「まだまだ」を繰り返しながらも笑顔を絶やさない塚本選手の初キャップ・インタビューをお届けします。
◆コミュニケーションとフィジカル
—— トップリーグ初出場おめでとうございます
緊張しました。ベンチで試合を見ている時は、あまり緊張はしなかったんですが、出場の声をかけられた瞬間、すごく緊張を感じました。ですが、実際グラウンドに出ると緊張は和らいでいました。
—— プレーの出来はどうでしたか?
主にアタックの部分で、あまり納得のいくプレーは出来ませんでした。出場は10分間くらいで、2~3回はボールが回ってきたと思います。試合後は「もっとプレーしたかった」と感じました。
試合に出場出来たことは正直に嬉しいです。ただその中で自分のプレーが出来なかったということは、まだまだ練習が足りないんだと思います。
—— 第4節での出場というのは、自分の中で考えていましたか?
具体的には考えていませんでしたが、出来るだけ早い段階で出場したいと思っていました。第3節の後のキヤノンとの練習試合で、良いプレーは出来ていたと思います。ただそこでは第4節のメンバーに選ばれるとは思っていませんでした。
—— 第4節の九州電力戦ではセンターでの出場でしたね
キヤノンとの試合でもセンターで出場して、初めて13番での出場でしたが、出来ないことはないと感じていました。11番から15番だったら、一応全てのポジションでプレーが出来ます。
—— トップリーグの試合に出場してみて、課題はどこだと感じましたか?
コミュニケーションとフィジカルだと感じました。フィジカルに関しては、大学時代と比べるとレベルアップしていると思いますが、トップリーグの中ではまだまだ弱いと思います。
コミュニケーションの部分は、これまでも課題としてきたんですが、社会人になってから更に改善しなければいけないと感じるようになりました。
◆課題を克服して試合に出続けられるように
—— 課題を克服するために必要なことは何だと思いますか?
もっとラグビーのことを知らなければいけないと思います。いまは判断するところで迷ってしまうことがあるので、サントリーの試合映像を見たり、海外のチームの試合映像を見て、もっとラグビーを勉強しなければいけないと思っています。剛さん(有賀)から色々と教えてもらうこともありますが、将来は僕も剛さんのように教えたり指示を出せるようにならなければいけないと思います。
—— クラブハウス以外でも試合の映像を見たりするんですか?
自分のパソコンにラグビーの試合映像を入れて、寮の部屋で見たりしています。大学まではあまり試合の映像を見て来なかったんですが、映像を見ることで気づいたり、勉強になることが多くあります。自分の中では選択肢になかったプレーも、他の人は選択してプレーしていたりするので、自分の中での選択肢が広がると思います。
—— 課題を克服し、出場し続ける自信はありますか?
まだ先の話になってしまうかもしれませんが、課題を克服して試合に出続けられるようにしたいです。
—— 精神的には強い方ですか?
あまり弱気にはならないと思います。安定という面では、日によって違ってしまうので不安があります。普段の練習からムラのないプレーを心掛けて、練習をしていかなければいけないと思います。
—— トップリーグでも通用すると感じる部分はどこですか?
まだ出場時間が短いので、何とも言えませんが、これから経験を重ねていけば、通用すると感じる部分も出てくると思います。
—— 試合に出場して、楽しかったところはどこですか?
高いレベルの中でプレーする楽しさがありました。練習試合との違いはあまり感じませんでしたが、トップリーグの試合に出ているという気持ちの面での違いはありました。
—— 以前インタビューした時には、スペースを見つけて抜いていくプレーが得意と言っていましたが、そういうプレーは出せていますか?
社会人では、相手に触られずに抜いていくということが難しいので、あまり出せていないかもしれません。小野澤さんからポジショニングなどのアドバイスは頂いていますが、小野澤さんのようにプレーするのは、まだ難しいです。トレーニングにクリーンも取り入れていますが、まだフォームの練習中という感じです。
—— 昨シーズンと比べて、今シーズンは若手選手の出場機会が多いと思いますが、同期や歳が近い選手が試合に出場している姿を見ると、どう感じますか?
僕が出場出来なくて、他の若手選手が出場しているところを見ると、悔しいと思いますし、自分も出たいという気持ちが強くなります。それに自分にもチャンスがあるんじゃないかという気持ちにもなります。
—— アピールしていきたいプレーは、どんなプレーですか?
ボールを持った時のプレーですね。
—— 初出場したことを、誰がいちばん喜んでくれましたか?
やっぱり、おっかぁ、いや母です。奈良から試合を見に熊本まで来てくれました。メンバーに入った時にメールで伝えたら、最初は「遠いから行けない」と言っていたんですが、試合の直前になって、「やっぱり行く」と連絡が来ました。試合後には「初キャップおめでとう。これからも頑張って」と言ってもらいました。
—— トップリーグの試合に出て、改めて今シーズンの目標は何ですか?
試合のメンバーに入り続けることです。そのために、先ほど言った課題の克服が必要だと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]