2006年6月21日
#23 佐々木 隆道 『試合ってラグビー選手としてのすべてが出る』- 1
◆目標とする人たちと一緒にやったらすごいチームができる
—— 今日の試合(5/28トヨタ自動車戦)はいかがでした?あなたのプレーには強さや速さが出ていたと思いますが
いい部分もあれば、チャンスでミスしてしまったところもあって、プラマイゼロです。自分はチームの1/15(15分の1)として、試合前に清宮さんが言ってたサントリーのプライドの部分、アライブするというキモになる部分、それをがんばってやろうとしているだけです。周りから見ていてそう言われれば、ちょっとはいいプレーをしているんだなと思えます。
—— アライブという言葉は、キャプテンだった早稲田大学時代のラグビーに共通する部分があるのではないでしょうか?
言い方は違いますけど、大学時代からそういう意識でやってきているので、当たり前と言えば当たり前のことで、そんなに戸惑いとかはないですね。
—— サントリーに入ったのは清宮監督がいるからですか?
それだけじゃないですけど、大悟さん(山下)とか僕と大学でかぶった先輩たちなど、目標とする人たちと一緒にやったら、すごいチームができるんじゃないかと思いました。チームの雰囲気もすごくいいと聞いていたし、いちばん後悔なくプロとして生活できるチームという気がしました。他のチームへ行ってサントリーが強くなってたら、うらやましいな、清宮さんとラグビーができていいな、輝いてていいな、と思ったと思うんです。後悔なくやりたいですし、自分もその中で活躍したい気持ちで、サントリーに入りました。
—— 誘いはたくさんあったでしょう
結構いろんなチームから誘っていただいて、何で僕なんだろう?って思うこともありましたが、本当にありがたいなと思っています。
◆プロとしてやりたかった
—— サントリーとはプロ契約ですね
プロとしてやりたかったんです。プロであるからにはみんなの憧れにならないといけないし、結果を出さないといけない。自分に対するプレッシャーにもなりますし、あとはいままでいろんなレベルの代表に入って、もっと上に行きたいと思ったんです。もっといろんな世界を見たい、自分がレベルアップすることで世界を見たいと思いました。社員だと仕事も大事、ラグビーも大事となるんですけど、プロだったら海外へ行くこともできるし、いろんな選択肢が出てくると思うんです。プロだからできることが多いと思いますし、普及活動にしても、いろんな意味でラグビーに貢献できると思いました。
—— 将来海外も視野にあるんですね
海外も挑戦したいですね。南半球の方が好きで、できればオーストラリアでやってみたいと思います。
—— サントリーへの入団発表が他の新人より遅れました
チームの記者発表のときには、サントリーとの契約をまだ結んでいなかったので、契約を結ぶ前に記者会見に出るのは納得がいかないし、気持ちよく出れないと思ったので、ちょっと遠慮しました。契約の話が長かったんですが、こだわったところは僕の視野の中に海外に出たいというところもあったので、移籍とかいろんなところがクリアになってから、契約したんです。結果的に契約内容は他のサントリーのプロ選手と同じだと思います。
◆サントリーの佐々木隆道としていろんな人に見てもらいたい
—— 海外より先ずサントリーのレギュラー、そして日本代表なのでは?
そっちの方が強いですね。これはいろんなところで言ったんですが、サントリーでしっかりがんばって、初めて代表には選ばれるもので、選ばれるのは早ければいいに決まってますが、いまはサントリーで結果を出せるようにがんばりたいと思っています。目標は、サントリーの佐々木隆道として、いろんな人に見てもらいたいということ。試合って、ラグビー選手としてのぜんぶが出ます。僕よりすごい先輩がいる中で勝負して行けばプラスになるし、その勝負に勝って試合に出られれば最高です。
—— 実際にサントリーに入ってみてどうですか?
サントリーはすごくいい雰囲気です。人間的にもいい人たちが揃っていて、チーム愛みたいなものをすごく持てるいいチームだと思います。
—— 佐々木選手から見て、大学からのつき合いがある清宮監督のどこがいちばんいいところですか?
みんなの個性をすごく出させてくれるというところじゃないですか。清宮さんに出会って伸びる選手は多いと思います。
—— 佐々木選手自身のいいところは
自分のことはよくわかりません(笑)。周りのこともよくわからないけど(笑)。自分のプレーでチームを盛り上げていけるプレーがしたいですね。例えばディフェンスアタック(*受けるディフェンスでなく攻めのディフェンス)で勢いを与えられるプレーです。それがビッグプレーなのか細かいプレーなのかは試合によって違いますが、サントリーが勝つ裏にはちょっとは僕のプレーが影響している、というようになれたらいいと思います。
◆勝ちに対する執着心が人より強い
—— どんな性格ですか?
勝ちに対する執着心が人より強いと思います(笑)。普通のゲーム、例えばサントリー内でゲームとかをしても、負けたら不機嫌になっちゃいます。子供のころは自分のコントロールができなくて、隠れんぼしていて見つけたのに出てこないやつがいて、それが悔しくて「ずるいぞ!」ってキレて家へ帰っちゃったりとか、野球でも負けず嫌いでクラス内でやっても負けたくないから必死になっちゃうんです。どんなことでも負けた方に罰ゲームがあるとなるともう必死です。
やるからには勝ちたい、そのためには自分を押さえてまでラグビーをしたくないというのがありました。そうやって自己主張しているうちに、知らない間にキャプテンになっていたんです。ここがこうだからダメだとわかったときには、黙っていられないんです。自分がダメなときは、自分の中にとどめておきますが(笑)。
—— じゃあずっとキャプテンですね
中学(新生野中学)では副キャプテン、高校(啓光学園)でキャプテンでした。
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