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「人間」らしく
やりたいナ
この不朽のメッセージを生み出したのは、サントリーの前身・寿屋宣伝部に在籍、そこから独立した広告制作会社サン・アドの創立メンバーでもある芥川賞作家・開高健でした。
「広告・イコール・ヒューマンというのが、コンビを組んでいたコピーライターの持論であった」と当時のデザイナーは回想しています。小林亜星作曲によるCMソングの名作中の名作、サントリーオールドのテーマ曲「夜がくる」(♪ランランリラン シュビラレ、というスキャットのアレです)も、「人間みな兄弟」という開高健のコピーがあって生まれたものです。
世界を駆け巡った釣り紀行の大作『オーパ!』のサントリーオールド篇ともいうべき開高出演のTV-CFや新聞広告にも、“古き佳き”と簡単に形容してしまいたくない「人間」らしさが溢れています。
同じくサントリー宣伝部出身の直木賞作家・山口瞳による新成人・新社会人に向けた叱咤激励「直言シリーズ」の文末は、「諸君! この人生、大変なんだ。」と万感を込めたメッセージで締めくくられることが殆どでした。「開高・山口」以降の時代も、コピーに、デザインに、演出に、錚々たる人材を輩出していますが、それぞれ個性的な広告表現に共通するのは、やはり普遍のヒューマニズムでしょう。
一つ、地に足の着いた「生活文化」の創造。二つ、赤いキャップは日本代表・国際派の心意気。三つ、つかず離れず寄り添いながら時代とともにに歩んでいく。
サントリーオールドの広告にも、宣伝と広告に心血を注いだ創業者・鳥井信治郎以来、代々受け継がれてきた三つの遺伝子が、こうして並べてみると、どの時代の作品にも脈打っているようです。
オールディーズ・バット・グッディーズ、といいます。古いものがすべて佳いとは限りませんが、良いものは何時だって佳いのです。良いものをつくって良心的に商う。こころ美しき人、行い善き人は報われるべきだ。──時代がいかに変わろうと、サントリーオールドの想いは今も変わりません。 |
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