世界一美しい響きをめざして

Hibiki to the World

サントリーホールの歴史

オルガンのA音を鳴らして開館宣言をする初代館長 佐治敬三

1986.10.12
オルガンのA音を鳴らして開館宣言をする
初代館長 佐治敬三

日本初のヴィンヤード形式を採用した大ホール

日本初のヴィンヤード形式を採用した大ホール

ベルリンに世界的指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンを訪問したときの佐治敬三

ベルリンに世界的指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンを訪問したときの佐治敬三
カラヤンは大ホールのヴィンヤード形式を熱心にすすめた

サントリーホールは、東京で最初のコンサート専用ホールとして、「世界一美しい響き」をコンセプトに1986年秋に誕生しました。それは当時サントリー株式会社の社長であった佐治敬三の永年の夢の実現でもありました。
サントリーグループが世代を超えて文化・社会貢献活動を継続して行ってきた原点は、創業者・鳥井信治郎が信念としていた「利益三分主義」にさかのぼります。事業によって得た利益は、「顧客へのサービス」「事業の拡大」そして「社会への還元」にも役立てたいという考えです。サントリーホールもこうした精神を受け継ぎ、活動に取り組んでいます。

サントリーホールは、開館当時2つの点で画期的な存在でした。ひとつは、コンサート専用ホールとして音に徹底的にこだわったこと。日本で初めてヴィンヤード(ブドウ畑)形式を採用し、演奏家と聴衆が一体となった臨場感溢れる音楽体験を共有できます。もうひとつは、コンサートを楽しむ文化そのものを日本に根づかせたいとの思いから、開演前や休憩のひとときを楽しんでいただくサービスを 取り入れたことです。お客様を案内するレセプショニストやクローク、ドリンクコーナーも導入し、大人の社交場としての新たな楽しみを創造しました。

佳境に入っていたサントリーホールの建設現場

1985.12.17
佳境に入っていたサントリーホールの建設現場

オルガンの取り付け工事中の大ホール

1986.5.29
オルガンの取り付け工事中の大ホール

また、開館当初より音楽の情報発信基地としてオリジナル企画の主催公演を開催してきました。1987年から続く現代音楽の祭典”サマーフェスティバル”、開館25周年の2011年からスタートした初夏の室内楽の祭典“チェンバーミュージック・ガーデン”は国際的な注目を集めています。
2016年には30周年を迎え、これまでに、カーネギーホールとの提携プログラムや海外音楽大学との交流プロジェクトなど、世界を視野に入れた多彩な次世代育成プログラムを展開しています。
2017年には、よりお客様にご満足いただけるホールを目指し、7ヶ月間にわたる過去最大規模の全館改修工事を行いました。
東日本大震災後の2012年4月には、ウィーン・フィルとともに、音楽を通じて被災地はもとより日本全国に活力を与える支援活動を継続的に実施する目的で、「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金」を設立、助成事業とコンサート事業を展開しています。

サントリーホールは毎年、約550の公演に60万人規模のお客様にご来場いただいています。これからもクリエイティブで魅力ある企画を提供することで、音楽がより生活に根づいたものになることをめざして活動していきます。

サマーフェスティバル

開館2年目からスタートした現代音楽の祭典
「サマーフェスティバル」

チェンバーミュージック・ガーデン

多彩な公演が魅力の室内楽の祭典
「チェンバーミュージック・ガーデン」

ウィーン・フィルと継続的な被災地支援活動

ウィーン・フィルと継続的な被災地支援活動を展開

hibiki to the world

サントリーホールは、日本で初めて客席がステージを取り囲むヴィンヤード形式を採用し、“世界一美しい響き”をコンセプトに誕生しました。
開館当時から使用しているサントリーホールのロゴマークも「響」という漢字をモチーフにしたものです。
(デザイナー:五十嵐威暢氏)

開館30周年を機に日本で愛され、多くのクラシック音楽ファンによって育まれてきた『Hibiki 』(=「美しい響き」)を、よりグローバルに、そして一人でも多くの方々に届けていきたい――
メッセージの「Hibiki to the World」にはそんな想いを込めました。