険しい土地で育まれた
濃厚でしなやかなワイン
12世紀に移住してきた修道士が
ぶどうをもたらした
スペイン北東部、カタルーニャ州タラゴナ県にあるプリオラートは、リオハと同じくD.O.Ca.に認定されたワイン産地。「コステルス デル プリオール」はここでつくられます。地中海の海岸から20kmの場所に位置し、ぶどう栽培面積は1,800haのみ。ごつごつした岩の多い、切り立った険しい斜面に、畑がテラス状に切り拓かれています。まわりを他のD.O.に囲まれているため、プリオラート地区が、これ以上広がることはありません。貴重な産地といえるでしょう。もともとこの地にぶどうを持ち込んだのは、修道士たちです。12世紀に移り住み、「プリオラート・デル・スカラ・デイ」と名づけた修道院でワインをつくっていました。プリオラートの名も、ワインもここから始まったのです。
切り立った斜面で栽培される
ぶどうの個性
斜面に切り拓かれた畑、プリオラートの土壌は、大きな岩と「リコレラ」と呼ばれるスレート、粘板岩の薄い板で覆われています。ここはまた、大陸性気候と地中海気候が混ざり合い、昼夜の寒暖差も激しく、ぶどうはタンニンを多く含むようになります。ワインに力強さと凝縮感をあたえてくれるのです。さらに斜面栽培のため、ぶどうの収穫は手作業で行なわれます。収穫量は少ないながら、この地の恵みを最大限に活かした質の高いワインづくりを続けているのです。
ワインを特徴づける
「リコレラ」土壌
「リコレラ」はスレート状の独特の土壌で、養分がほとんどなく、水もほとんど蓄えていません。スレート土壌ではぶどうは簡単に根を張ることができないため、樹をしっかり支えるため、また「リコレラ」土壌の下部にあるわずかな水分と養分を求めて、根が地中深く入り込みます。そうして急斜面での栽培や降雨量の少なさといった過酷な自然環境を補っているのです。これにより、独特のミネラルと力強さがワインにもたらされています。
ワインメーカー:ジュディ ロップ
父親もプリオラートのワイン生産者だったことから、幼い頃からぶどう栽培に親しんできました。地元のタラゴナ大学でワイン醸造学を学び、他のワイナリーでの研修を経て「コステルス デル プリオール」のワインづくりに携わるようになりました。ごつごつした岩の険しい斜面でつくられる、プリオラートならではのぶどうの特長を充分に発揮できるワインを生み出すためにワインづくりに取り組んでいます。その姿勢は、農薬、化学肥料を使わず、環境にやさしく、ぶどうやワインと対話しながら、というものです。
コステルス デル
プリオール
よく熟れたプラムのような香りや、樽由来のバニラ香が感じられます。口にいれると非常に濃厚な果実味、心地よい酸味、タンニン分もしっかり感じられる力強いワインです。「コステルス デル プリオール」は「プリオラートの段々畑」を意味し、プリオラートにある十字架をぶどうでイメージして、ラベルに穴をあけたデザインにしています。
<樽熟成12ヶ月>
- D.O.Ca. Priorat(D.O.Ca. プリオラート)
- ぶどう品種 ガルナッチャ、カリニェナ
- 750ml