10種類以上のワインと合わせた結果、選ばれたのが「メゾン デ プリンス ソーヴィニヨン・ブラン」。この春、新発売になったばかり、ロワール地方IGP(地酒)として本国でも親しまれている実力派、お手頃価格が嬉しい注目の1本です!
ソーヴィニヨン・ブランは白ブドウ品種の中で、フランスの作付け第3位、特にボルドーやロワールなどで広く栽培されています。今回のテイスティングでは、カリフォルニア、チリのソーヴィニヨン・ブランも候補に上がっており、柑橘の香りが顕著なもの、ハーヴの香りが全面に出ているもの、全体的に穏やかな印象のものなど驚く程様々で、「同じ品種でも国や作り手でこんなに違うんだ!」ということを再確認。中でもこの「メゾン デ プリンス」は青リンゴやグレープフルーツを思わせる爽やかな果実の芳香が特徴的です。春風が運んで来る青草のような清々しい香りもほのかに感じられます。
チーズとあわせると、滑らかな口溶けのチーズの上に、軽やかな舌触りのワインが重なります。すーっと両者が溶け合うと、互いの爽やかな酸味が素直に絡み合い、ソーヴィニヨン・ブランの甘みが最後に際立ちます。
風そよぐ若草のようにピュアで生き生きとした二つを味わっていると、真っさらな気持ちになってきます。新年度、新たなスタートを切るこの季節に楽しみたい、春を感じるマリアージュです。
白やロゼワインと楽しむイメージが強いシェーヴルですが、「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー」は赤ワインとの可能性を発見させてくれました。黒ブドウのガメから作られ、赤い果実や花を連想させる香りが心地良く、軽やかでフルーティーな味わい。ボジョレーの帝王、ジョルジュ デュブッフがつくるスタンダードな一本は、「誰もが気軽に楽しめる」という彼の理想を形にしたようなワインです。
「シャヴィニョル」の飾り気のない素直さが、ボジョレーのフルーティーな魅力を引き立たせます。そして白ワインと合わせた時にはあまり感じられなかったシェーヴルの野性的な香りが後から立ってくるので、シェーヴル好きには是非お試し頂きたい組み合わせです。また「シャヴィニョル」は「ドゥミ セック」よりも熟成が進み、周りにふわふわとした白カビや青カビをまとった状態のものだと更にふくらみが出て、一味ちがったマリアージュを感じられそうです。「シャヴィニョル」は熟成に従って、生地がギュッと目が詰まったように締まり、ホクホクと崩れるような食感に変化します。採りたてのキノコのような香りが立ち、酸味は落ち着き、シェーヴル特有のコクが楽しめるようになるのです。
ワインとチーズがあり、一緒に飲みたい相手がいる。美味しいものを、大切な人と分かち合う時間というのは、何とシンプルで幸せなことでしょう。小さなシャヴィニョル村で生まれた小さな「クロタン ド シャヴィニョル」が、あなたとあなたの大切な人に、大きな歓びをもたらしてくれますように。