今回のティスティング会が行われたのは8月、ブドウはまだ樹上ですくすくと育っている頃。そのため私たちは今年のボジョレー ヌーヴォーの代わりに、2011年のボジョレーなど、様々なワインと合わせてベストな相性を探しました。その結果「やはりフレッシュで軽やかな味わいのヌーヴォーとの相性は格別だろう。」と、最終的に選ばれたのが「ブリ ド モー フェルミエ ロートシルト」と「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー2013」の組み合わせです。
ボジョレー地方はフランス ブルゴーニュ地方の南部に広がるなだらかな丘陵地帯。花崗岩質、石灰粘土層の土壌で、この土地と非常に相性が良い黒ブドウ ガメからワインが造られます。収穫したブドウをすぐに味わえるように特別な製法で醸されるヌーヴォーは、通常の赤ワインと比べてタンニンが少なく色鮮やかなルビー色。野いちごや赤すぐり、フランボワーズのような赤い果実の甘酸っぱい香り、熟成ワインには無い、出来立てのフレッシュなフルーティーさを楽しめるのが最大の魅力です。
さて、気になるのは今年の味わいです。ジョルジュ デュブッフ社からの報告によると、今年は冷涼な春の天候の影響で開花が遅れる地域もあったため、多くの房に小さなブドウが混じっていますが、これが今年のヌーヴォーに鮮やかな色合いと飲みごたえを与えてくれるだろう、とのことです。
「ブリ ド モー」のカスタードクリームのような濃厚な口溶けにボジョレーを合わせると、もぎ立て果実のようなジューシーな果汁が口の中いっぱいに広がります。ロートシルトの森に自生するベリーを穫ってかじりついたらこんな感じなんだろうなぁと思わせるような、甘くフレッシュな味わいです。後から白カビの芳ばしさとワインのほのかなタンニンが心地よく広がります。
ボジョレーの帝王と称される名醸造家「ジョルジュ デュブッフ」のヌーヴォーに、白カビの王者の中の王者と言えるこの農家製「ブリ ド モー」。偉大な生産者から生み出された両者の存在感からも、申し分ない組み合わせでしょう。
もう一つ、この「ブリ ド モー」と合わせたいワインとして選ばれたのは「ドメーヌ バロン ド ロートシルト ポーイヤック レゼルブ スペシアル」です。「シャトー ラフィット」を擁するロートシルト家が醸したポーイヤックAOCワインです。カベルネ・ソーヴィニョンを主体にメルロも使用。同家がポーイヤック村に所有する、ラフィットとデュアール ミロンという偉大なシャトーのワインをもブレンドした贅沢な逸品です。チーズとあわせると、ワインに甘さが感じられ一味違ったワインの味わいを楽しませてくれます。よく熟した「ブリ ド モー」のエレガントな味わいに、ワインの気品ある芳醇な香りと重厚なボディがマッチした高級感のある組み合わせは、最高に贅沢な気分に誘ってくれます。
今年のボジョレー ヌーヴォーの解禁日は11月21日(木)。その翌日、22日(金)は、いい夫婦の日、その翌々日、23日(土)は勤労感謝の日。ジョルジュ デュブッフではこの3日間を「ありがとうウィークエンド」と考え、今年のラベルには「感謝」の花言葉を持つ、ひなげし、バラ、ダリアがいっぱいに描かれています。それはまるで本物の花束のように華やかなボトルです。ありがとうウィークエンド、感謝を込めた乾杯を、あなたは誰と行いますか?