チーズの味わいを堪能した後、今回のチーズにあうワインは何だろうかと期待を膨らませながらテイスティングを始めたところ、用意された数々のワインの中で相性が一際よかったのは、「ジョルジュ デュブッフ プーイィ・フュイッセ」でした。
この「ジョルジュ デュブッフ プーイィ・フュイッセ」は、ボジョレーのつくり手として知られる名醸造家ジョルジュ デュブッフがつくった辛口の白ワイン。フランス ブルゴーニュ地方の南部に位置する、マコネー地区の銘醸地として知られているプーイィ・フュイッセ村のワインです。シャルドネ種から造られ、色調はややグリーンがかったやや濃いイエロー。香りは洋梨、黄色いリンゴなどの甘い果実のような香りとともに、樽熟成からくる炒ったナッツのような香ばしい香りがほんのりと心地よく感じられます。味わいは、やや凝縮した果実味と共にまろやかな酸味のバランスが良い辛口白ワインです。
チーズとワインを合わせると、
「『プーイィ・フュイッセ』を合わせると『シャロレ』のミルクの風味が増すようだね。」
「そうそう、後味にも心地よいミルキーさが引き立つ組み合わせで美味しい!」
「ワインの樽熟成からくるほんのりと上品なナッツのような酸化熟成香に、『シャロレ』の熟成からくるヘーゼルナッツのような風味が溶け込むようだ。」
「それでいて後味にはやや熟成した落ち着いた『シャロレ』の酸味とワインのまろやかな酸味がマッチして心地よいね。」
とテイスティング会のメンバーは大満足。
ワインの果実味の凝縮度がより増し、爽やかな風味の中にも落ち着いたまろやかさやミルクのコクがより感じられる組み合わせになりました。
次におすすめとして選ばれたのも、今回のおすすめ白ワインと同じつくり手のジョルジュ デュブッフが手掛けるワイン、「ジョルジュ デュブッフ フルーリー」です。
フランスのブルゴーニュ地方の一番南の地区、リヨンから北に広がるボジョレー地区でつくられています。「クリュ・デュ・ボジョレーの女王」と呼ばれるほど品質は高いです。また、「フルーリー」はお花畑という意味をもち、その名の通りユリやアイリスを思わせる香り、果実味の華やかさが感じられるボジョレーワインです。品種はガメ種を使用しています。
「ワインとチーズを合わせると、白ワイン同様、チーズのクリーミーさが際立ち、チーズの風味を長く楽しむことが出来ますね。」
「ガメ種からくるタンニンの柔かさと果実味の華やかさは『シャロレ』単体で食べた時よりも、シェーヴルの風味が程よく増し、心地よく感じられる。」
「特にシェーヴル好きの方には、山羊の風味が増すのでお勧めですね。」
「そうそう、『シャロレ』でも特に外皮の部分をフルーリーと合わせると複雑さが増しますね。シェーヴルが好きな方は、ぜひ試してほしいですね。」
フルーリーという果実味主体のタンニン軽やかな赤ワインとの組み合わせが、心地よさを感じさせるマリアージュとなりました。
シェーヴルチーズのシーズンとしては後半戦といった季節ですが、
ブルゴーニュ地方のシェーヴル「シャロレ」はちょうどコクが出てきて、食べごろです。
ミルクの風味やややコクのあるナッティーな風味を楽しみたい方は、同郷の「プーイィ フュイッセ」をぜひ楽しんでください。そして少しベリーのような赤い果実の風味のアクセントを楽しみたい方は「フルーリー」で華やかに夏の終わりを楽しむのも良いでしょう。
今やAOCになり、ブルゴーニュ地方の名産となったシェーヴルチーズ「シャロレ」。
どうぞお楽しみくださいませ。