今回のテイスティング会では「暑い日でも爽やかに楽しめるクリームチーズなので、ぜひ夏らしい組み合わせをご提案したいですね。」と始まりました。
「いいワインのつくり手は品質が安定していていいね。」
「ワインと合わせるとチーズのミルクの風味がまろやかになるね。」
「マスタードの風味にも合うね。」
など様々な意見があがりました。
いろいろ用意したワインの中から、私たちが選んだのは「ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ シャルドネ “ラ ヴィニェ”」でした。
創業1731年のブルゴーニュワインの伝統を担ってきた名門「ブシャール ペール エ フィス」社のワイン。コート・ドールとコート・シャロネーズのシャルドネ種を100%使用しています。色調は透明感のあるややグリーンがかった淡い麦わら色をしています。華やかなリンゴや洋ナシを思わせる香りに、マロラクティック発酵による乳製品を連想させる香りや、心地よい木樽熟成からくるほのかなバニラのような香りが調和します。口に含むとまろやかな酸味が広がります。葡萄がよく成熟した果実味の凝縮感と絹のようななめらかな印象が感じられ、まさに本場ブルゴーニュの典型のような白ワインです。
このワインは、6月号のカマン・ベール・ド・ノルマンディーとの組み合わせでもおすすめしましたが、今回の「デリス・ド・ポマール 粒マスタード」とは同郷で相性も絶妙です。
実は、まぶされているディジョン産マスタードは、地元のブルゴーニュ産白ワインで風味付けられています。そのため、同郷ということだけでなく、酸味や香りにどこか共通する部分が感じられます。また、ワインがチーズのまろやかなクリームの風味をより引き立たせます。粒マスタードだけが独り歩きして強調されることなく、口の中でワインとまとまり、とても心地よい組み合わせになりました。
暑い日にはきりっと冷やした「ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ シャルドネ “ラ ヴィニェ”」と、「デリス・ド・ポマール 粒マスタード」をぬったバゲットに生ハムやチキンを添えて楽しむのも良いでしょう。
もう1本マリアージュ会のメンバーが選んだおすすめのワインをご紹介しましょう。
山梨県にあるサントリー 登美の丘ワイナリーにて自園産甲州ぶどう100%で造られる「サントリー 登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州」です。
甲州ぶどうを果実本来の香りと旨みを最大限引き出せる条件にこだわって遅摘みしました。さらに甲州種の香りと味わいの凝縮感を高めるため、搾った果汁を凍結させます。その後、氷を除去して残る凝縮した果汁を一部使用しています。
色合いは輝きのあるややグリーンがかった淡い麦わら色。凝縮感のある柑橘系の果実のような香りが華やかです。また、アルコール発酵時にオークの小樽にて低温発酵するため、心地よいバニラ、ロースト香といった柔らかな樽のニュアンスが加わります。辛口ながらも、遅摘みぶどうならではの凝縮した果実味に、やさしい口あたりやふくよかな味わいが楽しめる白ワインに仕上がっています。
この「サントリー 登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州」に「デリス・ド・ポマール 粒マスタード」を合わせると、「ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ シャルドネ “ラ ヴィニェ”」の時とは異なるハーモニーが生まれます。ワインのほんのりとした樽香によって、チーズにはバニラのような香りが加わります。まるでバニラ風味のクリームを食べているかのようです。また、ワインのロースト香がチーズのマスタードにマッチし、とても心地よいマリアージュとなりました。
しっかり冷やした「サントリー 登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州」におすすめは、焼き鳥の塩味に「デリス・ド・ポマール 粒マスタード」を添えたおつまみ。夏の暑い日にも楽しめそうな組み合わせです。
今回ご紹介した「デリス・ド・ポマール 粒マスタード風味」は万能に活躍します。
そのまま食べても良いですが、スプレット状にもなるのでパンやクラッカーにさっとぬったり、お肉に添えて、ワインのお供にぜひお楽しみください。
きっと夏らしいチーズとワインの歓喜のマリアージュを楽しんで頂けることでしょう!