この料理に合うワイン

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1st

サントリーフロムファーム 信州シンフォニー 

サントリーフロムファーム 信州シンフォニー

日本
ぶどう品種 シャルドネ、ピノ・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、トレッビアーノ、アルバリーニョ、ゲヴェルツトラミネール、リースリング、ピノ・グリ

今回のレシピは、カレイのムニエル レモンとケイパーのバターソースです。カレイは、カレイ目カレイ科に属している魚で、漢字で書くと鰈です。枼はヨウで、草冠が付くと葉になり、虫偏だと蝶になる、「ひらひらした木片」の意味です。カレイ目に属している魚たちは、体側の片側に両方の目があります。海底にへばりついて生活するのに適応して進化したのです。体側の片側に両方の目があるもうひとつのグループがヒラメ(平目)です。ヒラメはカレイ目カレイ亜目ヒラメ科の魚です。日本の諺では「左平目に右鰈」と言います。目がある方を有眼側、無い方を無眼側と言いますが、有眼側を上にして置くと、左を向いているのがヒラメで、右を向いているのがカレイと言う見分け方です。もちろん例外もあって日本で獲れるヌマガレイは左を向いています。カレイもヒラメも卵から孵化したばかり頃には体側の両方に目があって背びれを上にして泳いでいるのです。カレイは孵化してからしばらくすると、左眼が徐々に上に上がって来て、頭頂部を超えて右側へと移動していきます。この時、内臓は逆に左側に移動します。この頃になると、海底にへばりつくようになり、有眼側は濃い灰色に、無眼側は白くなっていきます。カレイもヒラメも海底にへばりついて暮らしていますが、食べるものは大分違います。カレイはゴカイやイソメなどの環形動物門多毛綱のにょろにょろした生物を食べています。なので口は小さくて、おちょぼ口です。一方ヒラメはイワシやアジなどの小魚や甲殻類を主食にしています。ぱくっと丸のみする為に、ヒラメの口は大きくて、その為東北から和歌山、四国、九州にかけて広いエリアでオオグチガレイと呼ばれています。カレイは長生き、と言うか成長が遅く、3歳でも体長20cmくらいにしか大きくなりません。カレイの仲間で最大になるオヒョウは、3mを超える巨大サイズの記録も有ったそうで、50歳を超える長寿のオヒョウも居るようです。今回はそのカレイをムニエルにして、レモンとケイパーのバターソースで頂きます。ケイパーは変わった食材です。英語でcaper、フランス語でcâpreで、アブラナ目フウチョウボク科のトゲフウチョウボクの花蕾の事です。地中海が原産地と言われ、地中海沿岸部に沢山ある低灌木(ガリグー)のなかに交じって生えています。春から夏にかけて白色からピンク色の可憐な花をつけます。雄蕊が長くて、沢山あって、線香花火の火花の最後の「散り菊」のように広がっています。この花はあまり結実しません。食べるケイパーは、その花の蕾を酢漬けや塩漬けにしたものです。堅く、小さく引き締まったものの方が高価ですが、稀に結実した実だけを集めて酢漬けや塩漬けにしたものは更に高価で美味しいです。わたくしがケイパーに初めて出会ったのは、社会人になってから、友人の結婚披露宴でのスモークサーモンの添え物でした。今でもこの組み合わせは定番中の定番ですよね。ケイパーの独特の風味はカプリン酸と呼ばれる脂肪酸由来だと言われています。カプリン酸はバターやココナッツにも多く含まれています。カレイに小麦をはたいてバターでこんがり焼きます。焦げ目が綺麗に付いたら取り出し、さっと一拭きして、更にバターを溶かし、ケイパーを軽く炒めます。白ワイン、レモン汁を加えて味を調えたらソースの完成です。お皿からはレモンの爽やかな香りとバターの風味が漂ってきます。
さて、このカレイのムニエル レモンとケイパーのバターソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサントリーフロムファーム 信州シンフォニーでした。
「えっ?信州シンフォニーなんてワイン知らない!」と仰るあなた!!
相当なワイン通ですね♪
この信州シンフォニーは今年の5月に長野県限定で発売されたワインなのです。
「えっ?長野限定だったら買えない!」と思われたあなた!!
サントリーの登美の丘のワイナリーショップやFROM FARM Onlineshopでも購入できますのでご安心ください。
信州シンフォニーは「~信州の3つの産地のぶどうの個性が奏でる旋律~」をテーマに製品開発が行われました。信州の3つの産地とは、長野県高山村、松本梓川と立科町の3つです。標高が高く冷涼な信州(長野県)は、高品質なワインがつくられる日本の銘醸地として知られています。信州は広く、産地の多彩さがあります。高山村で標高490mから730m、松本梓川で標高700m、立科町は更に高く780mです。3つの産地で育てたぶどうから出来たワインをアッサンブラージュして、信州ならではの、涼やかな酸味と彩り豊かな香りや味わいが何層にも重なり合うハーモニーを達成する事が出来ました。品種は、シャルドネが主体で56.0%、ピノ・ブラン20.3%、ソーヴィニヨン・ブラン12.6%、トレッビアーノ7.4%、アルバリーニョ1.8%、ゲヴェルツトラミネール1.2%、リースリング0.5%、ピノ・グリが0.2%です。グラスに注ぐと淡いレモンイエローです。香りは、レモンなどの柑橘系果実やパイナップル、青リンゴなどの酸のある果実を想起させる香りと、白桃などの甘さを連想させる香りとが多彩に感じられます。口当たりに熟した果実の甘やかさと伸びやかできれいな酸味を感じ、その後に程良い長さの余韻に繋がります。ワイン単体でテイスティングすると、涼やかな酸味が中心の味のバランスに感じられました。カレイのムニエル レモンとケイパーのバターソースと合わせると、レモンバターソースのレモンと明らかに香りの部分で共鳴しています。信州シンフォニーを口に含むとワインが、単体で飲んだ時よりもまろやかに感じられました。
「爽やかで涼やかですね」
「ムニエルって冬の料理の印象があるのですが、レモンバターソースにすると、夏にぴったりです」
「濃厚な旨みのあるバターが爽やかになりますからね」
「辛口ですっきりとした信州シンフォニーのお陰で、カレイの素材としての繊細な甘みを十二分に楽しむ事ができます」
「ムニエルって、樽熟ワインと相性が良いイメージがありますが、信州シンフォニーは樽熟したワインも入っているのですか?」
「いいえ、すべてステンレスタンクで発酵、熟成もそのままステンレスタンクです。多分、様々な品種の複雑なハーモニーで、バターの濃厚な旨みに対抗出来ているのだと思います」
「今回はカレイでしたが、信州サーモンとかでも美味しそうですよね」
いろいろな品種が織りなす香りと味わいの広がりは、様々な料理と相性が良さそうだ、と思いました。
ハーモニーと言うと、今年も2024セイジ・オザワ 松本フェスティバルが開催されました。セイジ・オザワ 松本フェスティバルは1992年より長野県松本市で毎年夏に開催してきた『サイトウ・キネン・フェスティバル松本』(SKF)の総監督を、ずっと勤めてこられた小澤征爾の名を冠した『セイジ・オザワ 松本フェスティバル』(OMF)へと生まれ変わったフェスティバルです。SKFと同様、母体であるサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の素晴らしい演奏はもちろんのこと、世界的指揮者、演奏家、出演者が小澤征爾総監督の強い思いを受けて、松本に結集する素晴らしい催しです。2025年は8月10日~9月9日開催の予定です。皆様も是非松本にお越しになり、フェスティバルをお楽しみになると共に、信州シンフォニーの、信州ならではの涼やかな酸味と彩り豊かな香りや味わいが何層にも重なり合うハーモニーもお楽しみくださいませ。

2位に選ばれたのは、サントリージャパンプレミアム 信州産シャルドネでした。マリアージュ実験で使ったのは、2019年ヴィンテージです。高山村や松本梓川などのシャルドネを、95%はステンレスタンクで発酵しシュールリーを実施しました。残り5%を樽発酵樽熟成させバトナ―ジュを行いながら6ヶ月間熟成させ、その二つをアッサンブラージュしました。
グラスからはレモンやライムのような柑橘系の香りと、リンゴやメロンを思わせる香りがあります。口に含むと、アタックのところで一瞬完熟からくる甘さを感じますが、辛口のワインです。その後フレッシュで引き締まった酸味が口中に広がります。中盤から終盤にかけて、しっかりしたミネラルと旨みも感じられるワインです。カレイのムニエル レモンとケイパーのバターソースと合わせると、信州シンフォニーとは明らかに違うポイントで合っています。バターの発酵的な香ばしさがぐっと際立っていました。爽やかなバランスと言うよりも、コクと厚みや、力強さと長い余韻を楽しむマリアージュと言う感じでした。

2nd

ジャパンプレミアム 信州産シャルドネ 

ジャパンプレミアム 信州産シャルドネ

日本
ぶどう品種 シャルドネ

3位に選ばれたのは、塩尻メルロ&マスカット・ベーリーA 和のつむぎ、9月10日に新発売されたばかりのワインでした。和のつむぎは、「日本らしい『和の世界観』を感じ取れる、塩尻の新しい赤ワインをつくり上げよう!」を合言葉に生まれたワインです。「日本屈指の品質を誇る塩尻のメルロに、日本の交配品種マスカット・ベーリーAを紡ぎ合わせたワイン」、そこに可能性を感じたのです。生みの親の一人である塩尻ワイナリー所長の齋藤卓は、「香りでは、メルロ由来の黒、赤系果実をイメージさせる香りに、マスカット・ベーリーA由来のフレッシュで華やかな果実の香りが重なり合います。味わいでは、マスカット・ベーリーAのフレッシュで軽やかな味わいが加わることで、メルロ由来の味わいの丸さ、ふくよかさと共に、果実の凝縮感や力強さも程よく感じられる、魅力的なバランスのワインになりました」と語っています。カレイのムニエル レモンとケイパーのバターソースと合わせると、和のつむぎは赤ワインなのに、カレイの白身の繊細な美味しさがはっきりと判ります。バターとケイパーの香りと、メルロとマスカット・ベーリーAの複雑に織り重ねられた香りとが、和音を奏でていて、とても美味しく感じられました。和のつむぎの前にマリアージュ実験した塩尻マスカット・ベーリーAではイチゴキャンディを思わせる香りが、少し暴走気味に強く出過ぎていたのですが、和のつむぎでは、マスカット・ベーリーAの配合比率は15%と、かなり低めなので、丁度良い塩梅になったのだと思います。
和のつむぎの、新しい日本の「和の世界観」を是非お試しください。

3rd

サントリーフロムファーム 塩尻メルロ&マスカット・ベーリーA 和のつむぎ 

サントリーフロムファーム 塩尻メルロ&マスカット・ベーリーA 和のつむぎ

日本
ぶどう品種 メルロ、マスカット・ベーリーA

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