今回のレシピは、パタタス ブラバスです。スペインのマドリッドが発祥の地だと言われています。スペイン語でpatatas a la brava(パタタス ア ラ ブラバ)またはpatatas bravas(パタタス ブラバス)と呼ばれます。一般的には、ジャガイモを、やや大きめのサイコロ状に切り、オリーブオイルで揚げ、スパイシーなソースであるサルサ ブラバを掛けます。パタタス ブラバスが、いつ、誰の手によって発明されたのかは定かではありませんが、1950年代のマドリッドのバルでは、すでに提供されていた記録があります。原価も安いため、手頃な価格で提供出来て、しかもワインやビールにとても美味しいおつまみになるパタタス ブラバスは、あっという間にマドリッド中のバルに広がり、スペイン全土から世界中に広がりました。みなさんもpatatas bravasで画像検索してみてください。世界中のpatatas bravasの写真を沢山見る事が出来ます。サルサ ブラバの色に注目すると淡めのオレンジ色からピンク色が中心なのですが、「これはトマトケチャップでしょう・・・」みたいな赤系が強いサルサ ブラバや「ほぼマヨネーズですね・・・」という淡い肌色の色合いをしたサルサ ブラバもあり、様々です。明確な起源が判らないパタタス ブラバスですが、掛けるソースであるサルサ・ブラバ ソースは、なんと!特許の対象になっていました。2002年にモロッコのセウタ出身のマルガリータ・パスクアル・ガルシアが、サルサ ブラバのレシピを特許庁に申請し、翌2003年1月に受理されています。ソースのレシピって特許が取れるんですね。マルガリータ・パスクアル・ガルシアが特許を取ったサルサ ブラバのレシピは、登録の分量を記載すると、
マヨネーズ5リットル
ニンニク 100g
赤唐辛子 100g
ケチャップ 200ml
水2リットル
これらすべての材料を混ぜ合わせてソースを作ります。との事です。ほとんどマヨネーズと水ですね♪
今回は鈴木薫先生にワインスクエアらしいサルサ ブラバを考案していただきました。ブラバスソースとアイオリソースの2種類を掛ける、スペシャル パタタス ブラバスです。ブラバスソースは白ワインとトマトピューレとオリーブオイルをベースに、にんにくすりおろしとパプリカパウダーとカイエンペッパーを混ぜて塩で味を調えます。アイオリソースは卵黄に、にんにくすりおろしとレモン汁を入れて良く混ぜ合わせて、それに、少しずつオリーブオイルと牛乳を加えて良く混ぜて乳化させて、ゆるめのソースにします。ワインスクエアバージョンのパタタス ブラバスはジャガイモを丸ごと茹でてから、皮のまま、くし型に切ります。これはサイコロ型に切るよりも、ジャガイモが薄くなった角が沢山出来て、揚げた時にカリカリの食感が出るようにする為です。スペインのバルでは、ジャガイモを完全に覆うようにブラバスソースが掛けられて提供されるパターンもありますが。ワインスクエアバージョンでは、カリカリ食感を積極的に楽しんで頂く為に、ソースが掛かっていない場所も出来るように、粗く掛けて作ります。
さて、このパタタス ブラバスにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはタヴェルネッロ オルガニコ サンジョヴェーゼでした。タヴェルネッロは、1983年に発売され、40年間以上も愛され続けている「小さな居酒屋」を意味する国民的ワインブランドです。タヴェルネッロブランドは、なんと4つもNO.1があります。
イタリア国内販売量 No.1 ※1
イタリアでのスーパーマーケットの配荷率No.1 ※2
世界で一番売れているイタリアワイン ※3
日本でも一番売れているイタリアワイン ※4
凄く人気のあるブランドである事が判りますよね。タヴェルネッロ オルガニコはその人気のタヴェルネッロブランドのなかのオーガニックワインです。オーガニックワインの定義とは、簡単に言うと、オーガニックぶどうから造られるワインのことです。原則として、化学肥料、農薬、除草剤を一定期間以上使用しないで、遺伝子操作や放射線処理が禁止された有機農法によって生産されたぶどう(=オーガニックぶどう)を用いて、造られます。単にその基準を守っていたら名乗れる、と言うものでは無く、畑がどういう状態で管理され続けているかをオーガニック認証機関に検査してもらい、認証を受ける必要があります。タヴェルネッロ オルガニコの場合だとEUオーガニックの認証マークである、緑の葉っぱマークの「ユーロリーフ」とイタリアの認証機関であるCCPBです。しかも、畑だけではなく醸造設備や瓶詰も認証機関に認証される必要があるのです。
タヴェルネッロ オルガニコの格付けは、ルビコーネIGTです。フランスのIGP(地酒)に相当するランクです。エリアは東西に広いエミリア・ロマーニャ州の東サイドです。ジュリアス・シーザーの故事「ルビコン川を渡る」の元となったルビコン川に因んだエリアです。ぶどう品種はサンジョヴェーゼで、ステンレスタンクで発酵後、6ヶ月間熟成します。
グラスに注ぐと明るめのルビーレッドです。熟したさくらんぼやプラム、スミレの花を思わせる香りと、甘苦いスパイスの印象があります。口に含むとやわらかな果実味と軽やかな酸味とが良くバランスした、まろやかな渋みの赤ワインです。
タヴェルネッロ オルガニコ サンジョヴェーゼをパタタス ブラバスと合わせると、軽いワインスなのですが、ジャガイモの、カリッと揚がった素朴な美味しさと良くマッチしています。ブラバスソースに絡めると、ちょっぴりピリ辛なトマト味と抜群に合っています。
「めっちゃ、トマトと相性が良いですね」
「イタリアで日々楽しむワインのベストセラーですからね。トマトとの相性は必須でしょう♪」
「ワインサイドの味わいのボリューム感が、ぐっと上がりますね」
「アイオリソースは卵黄ベースのニンニク味だから、そこそこ個性的な味わいですが、タヴェルネッロ オルガニコ サンジョヴェーゼは全然負けていませんね」
「しかし、パタタス ブラバスって良く出来たおつまみですね」
「ジャガイモの素朴な旨みを上手に引き出して、オルガニコと合わせていると、永遠に食べ続けられる気がします」
ジャガイモの特売があったら、是非、このパタタス ブラバスを思い出してください。そしてタヴェルネッロ オルガニコ サンジョヴェーゼとの抜群の相性をお楽しみくださいませ。
※1シンフォニーIRIグループ2021年12月報告データ(イタリア100m2以上スーパーにおける)
※2 シンフォニーIRIグループ2021年12月報告データ(イタリア100m2以上スーパーにおける)
※3 The IMPACT DATABANK 2021 EDITION に基づく
※4 インテージSRI全業態 2021年1月~12月期全業態