この料理に合うワイン

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1st

サントリーフロムファーム 津軽スパークリング グリーンエティケット 

サントリーフロムファーム 津軽スパークリング グリーンエティケット

日本
ぶどう品種 シャルドネ、ピノ・ノワール

今回のレシピは、豚肉の塩釜 アップルソースです。塩釜は、塩または塩と卵白で、素材を完全に覆ってから調理する料理法です。水分を閉じ込め、食品を乾燥から守って、ゆっくりと遠赤外線で均一に熱を加える事が出来る調理方法なのです。紀元前 4 世紀のアルケストラトスの「贅沢の生涯」に記載されているのが最初だと言われています。アルケストラトスは古代ギリシャの詩人です。マグナグラエキアのシチリア島の出身と言われている人で、美食に関する記述を多数残しています。その記述の中での塩釜の素材は白身魚で、お腹の中にタイムを忍ばせて焼いたようです。13世紀のイスラムの料理書には、「陶板に塩を敷き詰め、その上に魚を乗せ、それを更に塩で覆ってオーブンで焼きます」と記されています。中国での塩釜が初めて文献に登場するのは清の時代です。広東省の東京で鶏を塩釜で焼いたようです。乞食鶏の歴史は塩釜より古いです。現代の乞食鶏では、塩釜バージョンで提供している店もありますが、明の時代に登場した頃には、鶏を粘土で包んで焼いていたようなので、塩釜とは微妙に違います。トルコでも、鶏の塩釜が、オスマン帝国時代のハタイ県の伝統的な料理として記録されているそうです。さて、今回は鈴木薫先生に、豚で塩釜を作っていただきました。ソースはワインに良く合うアップルソースです。豚の部位は肩ロースで、大き目の肉で作る方が美味しく出来ますので、500gくらいの塊で焼いていただきました。塩は肉と同量の500gで、卵白は1個分で大丈夫です。香り付けはセージの葉とにんにくです。卵白でメレンゲをつくって塩と白ワインをいれて、釜の素を作ります。天板にクッキングシートを敷いて、釜の素の1/4を肉より一回り大きく広げます。セージの葉、にんにく半量をのせ、その上に肉を重ね、残りのセージの葉、にんにくをのせます。残りの卵白で全体を包むように塩釜を作ったら、200℃に温めたオーブンに入れ、1時間20分焼きます。その間にアップルソースを作ります。リンゴは、紅玉などの酸がしっかりしているものの方がバランス良く出来ますが、その日に手に入るリンゴの甘みと酸味と相談して、砂糖の量などを調整してください。

この、豚肉の塩釜 アップルソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシは、サントリーフロムファーム 津軽スパークリング グリーンエティケットでした。このスパークリングワインを醸したのは登美の丘ワイナリーの醸造家 吉野 弘道です。吉野は「10年かけて日本最高峰の瓶内二次醗酵スパークリングワインをつくりたい!津軽という産地は、フランスのシャンパーニュ地方に似た気候だ。既に、サントリーの契約農家さんでシャルドネやピノ・ノワールも育ててくださっている。この津軽で、日本の中でもトップクラスの瓶内二次醗酵スパークリングが作れるのではないか?津軽という産地を想わせる、リンゴのような甘やかな香り立ちと心地よい酸味、爽やかでゆったりとした果実感・・・・・これは、シャンパーニュの様な緊張感のある酸とは違った、日本らしいニュアンスだ・・・・そんな味わいのスパークリングをつくりたい!」と2017年ヴィンテージから津軽スパークリングに挑戦しています。初年度はピノ・ノワールだけでロゼをつくりました。2018年と2019年はシャルドネとピノ・ノワールのアッサンブラージュで36ヶ月の間、瓶内2次醗酵とそれに続く熟成を施しました。2020年は、糖酸バランスにこだわって収穫のタイミングを決めました。アッサンブラージュはシャルドネが57%、ピノ・ノワールが43%で、ぶどうの爽やかな果実味を活かすため、少し短めの24ケ月の間、瓶内二次醗酵とそれに続く熟成をしました。グラスに注ぐと、キメ細やかな泡立ちと、ほのかに緑がかった淡いシャンパンゴールドの色調です。青りんごの爽やかさと黄色いりんごの甘いコンポート、さくらんぼの果肉などを連想させる果実の香りがあります。瓶熟成由来の焼きたてロールパンのタッチもあります。口に含むと、滑らかに広がるりんご系の果実感と、日本らしい落ち着きのある酸味が心地良いです。

豚肉の塩釜 アップルソースと合わせると、津軽スパークリングのリンゴ感がより一層くっきりとします。際立つリンゴの風味と塩釜で閉じ込められた豚肉の旨味が良く合っています。冷涼産地である津軽らしいキレのある酸味が充実した豚肉の味わいを引き締めます。

「凄いリンゴ感ですね」

「ワインの酸がキレるので、塩釜を一層美味しく感じさせてくれます」

「豚肉ってフルーツの風味と良く合いますよね」

「塩釜で焼くと、鶏でも魚でも豚でも、みんな旨味が増す気がします」

「水分を閉じ込めて、ぎゅっと旨味を肉塊の中に入れていく感じでしょうかね」

「塩釜は遠赤外線で素材を加熱すると言われています。遠赤外線は素材に当たると、表面で熱に変わり速やかに深部に伝導していきます。炭火も遠赤外線ですが、素材が開放空間中にありますから表面の水分が加熱されて蒸発して、外はパリッと中はジューシーに焼き上げる事が出来ます。塩釜は塩で包み込んでいますから水分が逃げずに、しっとりと、ふっくらジューシーに焼き上げる事が出来るのです」

この塩釜、見た目の豪華さの割には簡単です。是非、豚肉の塩釜 アップルソースに挑戦してみてください。そしてサントリーフロムファーム 津軽スパークリング グリーンエティケットとの素晴らしいマリアージュをご体験してください。このサントリーフロムファーム 津軽スパークリング グリーンエティケットは、吉野の計画よりもずっと早く、本年開催された日本ワインコンクールでスパークリングワイン部門金賞と部門最高賞を頂きました。

2位に選ばれたのは、ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォーでした。いよいよボジョレー ヌーヴォーの解禁がやってきました。2023年はどんな天候だったのでしょうか?発芽時期である4月はかなり低めの気温で生育は少し遅れ美味でした。5月からは例年並みからちょっと高めで平年の成育に追いつきました。6月の開花期は良く晴れて気温も高めでした。7-8月はボジョレー地方としては丁度平年並みの気温でした。夜温は下がり、例年よりも降水量が少なかったこともあって、ポリフェノールや香り成分の生成は順調でした。丁度良い気象条件で、正にボジョレー ヌーヴォーらしい果実感あふれる年になりそうな年です。2022年が、夏場の気温が高く、色濃く力強い年だったので、今年のフレッシュな果実味が溢れる味わいとは大分違うと思われます。

マリアージュ実験で使ったのは、勿論、ヌ―ヴォ―ではなく普通のボジョレーです。豚肉の塩釜と合わせると、じわっと豚肉の旨味が口の中に広がるのが判ります。ボジョレー単体では、強くは感じなかった赤く熟れたリンゴの香りが口中から戻り香となって漂っていました。瑞々しいフレッシュな果実味が一杯であろう2023年のボジョレー ヌーヴォーで是非とも、もう一度マリアージュを楽しみたいと思った素敵な組み合わせでした。

2nd

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー

フランス
ぶどう品種 ガメ

3位に選ばれたのは、ミオネット ヴァルドッビアーデネ DOCG プロセッコ スペリオーレ エクストラ ドライでした。プロセッコは2020年には出荷量が5億本を突破しました。2000年時点で3300万本程度でしたから、この20年間で、なんと15倍にまで増えたのです。このミオネット ヴァルドッビアーデネ DOCG プロセッコ スペリオーレ エクストラ ドライは原産地呼称プロセッコ内でのトップであるDOCG格付けのプロセッコです。

ぶどうはグレーラ100%です。青りんご、アカシアの花のような爽やかなアロマが感じられ、繊細な香りがきめ細かい泡を伴って口の中に広がります。良質なぶどう由来の芳醇さとプロセッコらしい軽やかさで、口中に僅かに甘さが認識できる程度の「やや辛口」のプロセッコです。このやや辛口の味わいがリンゴソースと良くマッチしています。甘さレベルが料理とワインで一致している、甘さレベルでの「似た者同士は良い相性」なんだなぁ・・・・と思わせる素晴らしいマリアージュでした。

3rd

ミオネット ヴァルドッビアーデネ DOCG プロセッコ スペリオーレ エクストラ ドライ 

ミオネット ヴァルドッビアーデネ DOCG プロセッコ スペリオーレ エクストラ ドライ

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

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