この料理に合うワイン

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1st

ラ コスト ロゼ ド ニュイ 

ラ コスト ロゼ ド ニュイ

フランス
ぶどう品種 グルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン

今回のレシピは、ゲーンハンレー(皮つき豚バラのミャンマー風カレー)です。タイ北部のチェンマイの郷土料理で、ゲーンは、タイ語で煮込み、ハンレーは、ミャンマー語で豚肉です。カレー粉を使いませんので、タイ語名称にはカレーとは、入りませんが、読者の皆様にイメージして頂き易くするためにミャンマー風カレーと訳しています。国境が接しているミャンマーの影響を受けたタイ北部で昔から食べられてきた料理なので、生姜が効いています。豚肉の旨味とタマリンドの酸味やココナッツシュガーの甘さやコクが上手くバランスしたカレーです。辛さが控えめなので日本人にも食べやすく人気があります。今回のレシピではカレーペーストから作るパターンでご紹介しておりますが、市販のレッドカレーペーストにカルダモン、クローブ、ターメリックを加えてもかなり本格的に美味しいミャンマー風カレーになります。タイでは、蒸したもち米であるカオニャオと合わせて食べるのが一般的です。タイのもち米は、日本のもち米よりもちもちした感じが軽くて、食べやすいです。ゲーン ハンレー ミャンマー風カレーに使う豚肉ですが、ここは拘って皮つきの豚バラ肉を使いたい所です。皮つきの豚バラ肉を使うと出来上がった時の、皮から来るゼラチンのねっとりとしたテクスチュアが堪りません。皮付き豚肉は一口大に切って、カレーペーストと、タイの醤油であるシーユーダムとタマリンドペーストをまぶす感じで合わせて、最低でも1時間馴染ませます。前日から漬けておいても良いですよ。豚肉を鍋に入れて、焦がさないように気を付けて表面を焼きます。工程の鍋に入った豚肉の写真のような感じになるまで炒めてください。ここにひたひたになるまで水を足して40分ほど煮込みます。玉ねぎ、ナンプラー、ココナッツシュガーを加えて、弱火で煮続けて水分がほとんどなくなるまで煮ます。ピーナッツと生姜の半量を加え混ぜたら出来上がりです。

このゲーンハンレー(皮つき豚バラのミャンマー風カレー)にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、ラ コスト ロゼ ド ニュイでした。ロゼワインの世界では、スーパーラグジュアリーなロゼが急速に存在感を高めています。このシャトー ラ コストもその一つです。シャトー ラ コストは、フランス最大の港湾都市マルセイユの北35km、アヴィニョンの南東50kmにあります、原産地名称はAOP コトー デクサン プロヴァンスです。ローヌ川に注ぎ込むデュランス川を望む丘陵にある200haもの土地がシャトー ラ コストの敷地です。ぶどう畑は130ha、ワイナリーにある建築物の基本設計は安藤忠雄氏です。中心にシャトー ラ コスト ラ プロマンデアート&アーキテクチャがあります。その周辺に、レンツォ ピアノ氏設計のシャトー ラ コスト アートギャラリーや、プールと28室のスイートルームを持つヴィラ ラ ラコストやテイスティングも出来るショップもあります。中心となるシャトー ラ コスト ラ プロマンデアート&アーキテクチャの丘の頂上には安藤忠雄が作った礼拝堂があります。礼拝堂の脇に立つと、ジャン・ミシェル・オトネルの大きな赤いムラーノガラスの十字架が眼に入ります。森に分け入るとアメリカのアーティスト、マイケル・スティープが鋳造した狐のモニュメントがあります。ワインセラーは有名なフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルの設計です。アメリカのフランク・ゲーリーの作品もあります。また、食も充実しています。メインダイニングの他に、アルゼンチンスタイルのBBQレストラン フランシス マルマンヌ、安藤忠雄氏設計の「Tadao Ando café」とピッツァのバニーナとレストランが4つもあるのです。自家農園の新鮮なオーガニック野菜をふんだんに使った料理とワインの相性が楽しめるのです。シャトー ラ コストは「Wine & Art & Architecture」「自然とアート、そして建築が調和するワイナリー」なのです。ラ コスト ロゼ ド ニュイの品種はグルナッシュとシラーとカベルネ・ソーヴィニヨンです。グラスに注ぐと美しいサーモンピンクです。白桃やストロベリーのようなチャーミングな香りで果物をほおばったようなたっぷりした果実感とフレッシュさにあふれるロゼワインです。

ゲーン ハンレー 皮つき豚バラのミャンマー風カレーと合わせるとカレーの様々なスパイスの味わいと辛さを、ラ コスト ロゼ ド ニュイが優しく受け止めます。

「このロゼと滅茶苦茶合いますね。辛さやスパイシーさが全然暴れません」

「受け止める感じですか?」

「ただ単に受け止めるだけでは無いですね。料理もワインも両方とも上がっている気がします」

「豚バラ肉と皮から溶け出したゼラチンの旨味がロゼと合わせる事で、より強まる気がします」

「旨味が強くて、スパイスもふんだんに使っているミャンマー風カレーが、更に美味しくスケールが大きくなった感じがします」

「様々なスパイスがカレーの中に溶け込み、それを、更にロゼが包み込んでワインの風味も含めて一体化しているからなんでしょうかね、洋々というか、広々とした感じ...」

なにか大海原を吹き渡る風のような印象に感じました」

「ワインサイドも、確実に一歩階段を登っています。味わいの深みが出ています」

「そうそう!ロゼの味が濃く感じました」

皮つきの豚バラ肉は、普通のスーパーにはなかなか有りませんが、中華街の傍の肉屋さんやネットでは手に入ります。皆様も、是非、皮つきの豚バラ肉でミャンマー風カレーに挑戦してみてください。そしてラ コスト ロゼ ド ニュイとの抜群の相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのは、レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨンでした。レゾルム ド カンブラスはフランスNo.1ワインメーカー カステル社※が手掛けるフルーティなワインです。「レゾルム」とは、楡の木を示す言葉で、昔からフランスのあちらこちらに生えている樹です。中世では、この楡の木で大聖堂や船が造られました。その後は楽器や鉄道にも使用されるなど、フランス人にとって、非常に馴染み深く、身近な存在の樹なのです。「カンブラス」は、南仏の典型的な語感を持つ言葉です。「レゾルム ド カンブラス」という名前は、明るい南仏の空の下で、人々が木陰に集い、和気藹々と大きな木のテーブルを囲むようなイメージを象徴している名前なのです。レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨンは、樽との親和性が高いと言われているカベルネ・ソーヴィニヨンを敢えて樽での熟成を行いません。南仏の豊かな太陽を浴びて凝縮したぶどう本来の豊かな果実感を活かすためなのです。カシスやブラックチェリーを思わせる香りに、ほのかなスパイスのニュアンスがあります。凝縮感のあるピュアでクリーンな果実味と、熟した滑らかなタンニンが特長の、親しみやすい味わいの赤ワインです。ゲーンハンレー(皮つき豚バラのミャンマー風カレー)と合わせるとカンブラスのブルーベリーを思わせる果実味が豚肉と良く合っています。カンブラスのスパイシーさもカレーの複雑なスパイスと協奏曲を奏でる感じです。生姜のニュアンスとも調和した素適なマリアージュでした。

※ IMPACT DETABANK 2019,World’s Top 10 Wine Marketers(世界での販売数量データ)

2nd

レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン 

レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン

フランス
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

3位に選ばれたのは、ファルケンベルク リープフラウミルヒ 〈マドンナ〉です。ファルケンベルク社は1786年創業の老舗です。「マドンナ」はドイツ最古の商標ブランドのひとつとして1908年に誕生して以来、ドイツをはじめ世界で愛され続けてきたワールドワイドブランドです。日本に登場したのが1972年、今から丁度半世紀前の事です。日本人に愛され続けて50年、本格的な辛口ワインに馴染めなかった日本人に、ワインの気軽な楽しさを教えてくれたワインなのです。ワインの仕事を始めたばかりの38年前、先輩から「マドンナは愛の賛歌なんやで」と教えられました。意味が分からなくて先輩に聞くと「酸と甘み、サントアマミーの絶妙なバランスや」と教えられ、妙に納得したのを覚えています。ミャンマー風カレーと合わせると、控えめとは言いながらしっかりとしたカレーの辛さを優しく癒してくれます。生姜とカレーで熱くなった口の中をクールダウンしてくれて、またもう一匙食べたくなる…そんな感じの相性でした。

3rd

ファルケンベルク リープフラウミルヒ 〈マドンナ〉 

ファルケンベルク リープフラウミルヒ 〈マドンナ〉

ドイツ
ぶどう品種 ミュラートゥルガウ・リースリング、他

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