この料理に合うワイン

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1st

ミオネット プロセッコ  DOC トレヴィーゾ ブリュット 

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

今回のレシピは、穴子のフリット サラダ仕立てです。アナゴは、ウナギ目、アナゴ亜目アナゴ科の魚です。アナゴ亜目は大きな亜目で、ウミヘビ科もハモ科もアナゴ亜目に属しています。日本の市場で「穴子」と呼ばれるのは、普通は、マアナゴを指す事が多いですが、三河地方や名古屋の柳橋中央市場ではマアナゴを「目白」ギンアナゴを「穴子」と呼んでいるのを見た事があります。これはマアナゴの方が目の白目部分が大きいからだと思われます。マアナゴは雄と雌で大きさが全然違います。雄は40cmくらいまでしか大きくなりませんが、雌は90cmくらいにも育ちます。マアナゴはウナギと同じように深海まで旅をしてから産卵します。マアナゴは、長らく、西南諸島周辺深海で産卵すると言われていましたが、近年の研究で、もっと南の、赤道に近いエリアの可能性が高まっています。マアナゴもウナギも孵化すると柳の葉っぱのような形の透明で平べったいレプトセファルスになって海流に乗って日本に近づいてきます。高知では、このレプトセファルスをノレソレと呼んで珍重します。生のノレソレを醤油やポン酢、三杯酢で食べるのです。黒潮任せで漂ってやってきますから、ノレソレが市場で見られるのは2月から5月くらいと比較的長い期間です。ノレソレは10cmくらいのものが主ですが、30-40cmくらいのものもあります。沿岸に辿り着いたレプトセファルスは、縮んで体長5cmくらいの、筒形で黒いアナゴ体形になって、小石の間や貝殻の隙間などで過ごします。少し成長して15cmくらいになると砂地に穴を掘って生活するようになります。皆さんも水族館で色とりどりのチンアナゴが穴から顔を出すのをご覧になった事があると思います。アナゴの仲間は尾っぽと鰭を上手に使って穴を掘ります。アナゴ類の体には腹鰭がなくて、 背鰭、尻鰭と尾鰭が連続しています。この連続している鰭が穴掘りの時に効果的に掘った砂を穴の外に運び出すのです。アナゴ類の体表には鱗がなく、ヌルヌルしています。ウナギもぬるぬるしていますが、その下には鱗があるのですよ。アナゴ類は、そのぬるぬるの体液で穴が崩れないようにしているらしいです。穴子と鰻の栄養を比較すると、味わいでも判る通り、脂質は100gあたり穴子9.3gに対して鰻は19.3gと鰻の方が倍以上も多いです。脂肪が少ない分、カロリーは穴子の方が4割も少ないので、総カロリーに注意を払っている方には穴子が向いています。たんぱく質は穴子17.3gに対して鰻は17.1gで、僅かに穴子が多いです。ビタミンAは鰻の方が5倍近くありますが、鉄は穴子が6割も多いなど、どちらにも優れた所があるようです。2019年の農水省発表の県別漁獲量を見ると、島根県、長崎県、宮城県、愛知県、茨城県の順です。1980年台の築地市場で最も高値で取引されていた穴子は羽田沖の穴子で、入荷量も東京湾のものが多かった記憶がありました。東京湾での穴子漁業は、底びき網漁業と延縄漁業が主体でしたが、横須賀の漁業者がハイゼックス製のパイプを使った筒漁法を編み出し、あっという間に延縄漁業を駆逐しました。1隻の漁船が1日操業すると筒漁法の方が、倍以上の漁獲量があったそうです。1990年代までは、羽田空港に向かうモノレールの窓から大量の灰色のハイゼックス製のパイプを積んだ漁船が出漁していく風景を見る事がありました。それが、2000年台から、徐々に築地市場で羽田沖の穴子が減ってきました。筒漁法は効率的に漁獲できるが故に、資源を減らすことに直結してしまったのです。現在、東京湾では、水抜き穴のサイズを大きくすることで、小さい穴子を漁獲しない方法に変えてきており、資源量も徐々にではありますが回復の兆しをみせております。

今回はその穴子をフリットにしてサラダ仕立てで頂きます。フリットはフランス語やイタリア語で「揚げる」を意味する語句で、英語のフリッターに相当します。ふんわりとした衣が特徴の揚げ物で、言ってみれば、洋風の天ぷらですね。ふんわりさせるためにはいくつか方法があって、ひとつは卵白を泡立ててメレンゲにして使う方法、あとはビールや炭酸水などの泡の立つ飲み物で衣を作る方法などがあります。今回のレシピでは炭酸水を使いました。

この穴子のフリット サラダ仕立てにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットでした。IWSRのデータによるとスティルワインは2021年までの20年間で3%増加しただけですが、スパークリングワインは同じ時期に51%も激増しています。プロセッコはその好調なスパークリングワインの中で、世界で1番※売れているカテゴリーなのです。世界でのプロセッコ販売実績は直近20年で15倍にもなり、2020年には6億本になりました。これはシャンパンの3億本の2倍です。プロセッコとは、主にイタリア・ヴェネト州で造られるD.O.P.(保護原産地呼称ワイン)を持つ白のスパークリングワインで、ロゼが2021年1月1日に解禁となったばかりなのです。ぶどう品種は、このエリアの土着品種であるグレーラ種(最低85%)を主体に使用します。グレーラ種は、以前は"プロセッコ"種と呼ばれていましたが、原産地の名前と品種名が一緒では不都合があるので、品種名の方を別名称であるグレーラに変えたのです。

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットをグラスに注ぐと、元気のある泡が次々と立ち昇ります。フレッシュなリンゴを思わせる香り立ちと軽やかな白い花、やさしい果実味と爽やかな酸のバランスが良いスパークリングワインです。やわらかな味わいの後のホロ苦さが程よく引き締めます。素直でプロセッコらしい味わいです。

揚げたての穴子のフリットと合わせると、ふんわりと柔らかい穴子の身がミオネットの泡で解けてゆきます。

「穴子の身の、素材そのものの甘みが引き立ちますね」

「プロセッコはもう少し糖の有るものが多いのですが、このミオネットは辛口です。穴子の甘さを上手に引き出しています」

「熱っちちのフリットと、きりっと冷やしたミオネットのコントラストが楽しいです」

「レンコンの素揚げの根菜の美味しさも、ミオネットに引き立てられている気がします」

穴子は夏が旬です。資源は減少気味とは言っても、鰻のようには高くありません。皆様も是非穴子のフリット サラダ仕立てを作って見てください。そしてミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットとの素晴らしい相性をお確かめくださいませ。

※IWSR2020 スパークリングワイン販売数量

2位に選ばれたのは、ラ コスト ロゼ ド ニュイでした。ラ コスト ロゼ ド ニュイを醸しているシャトー ラコストは、南仏のエクス アン プロヴァンスとリュベロン国立公園のちょうど中間に位置します。広大な200haの敷地に130haのぶどう畑とレストランやヴィッラも併設されています。マスタープランは高名な建築家の安藤忠雄氏によるものです。安藤氏設計のギャラリーを中心に、F・ゲーリー、J・ヌヴェル、R・ピアノ、N・フォスター他、世界の名だたる建築家やアーティストによる作品30以上が点在しています。2011年からは一般に公開されていて、ワインとグルメ、そしてアートが楽しめる、ラグジュアリーなワイナリーなのです。ラ コスト ロゼ ド ニュイの品種はグルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンです。白桃やストロベリーのようなチャーミングな香りで、口に含む果物をほおばったようなたっぷりした果実感とフレッシュさがあふれるロゼワインです。辛口のロゼなのですが、充実した果物の自然な甘さがあり、穴子のフリットに掛けられたバルサミコソースの豊かな味わいと良くマッチしていました。

2nd

ラ コスト ロゼ ド ニュイ 

ラ コスト ロゼ ド ニュイ

フランス
ぶどう品種 グルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン

3位に選ばれたのは、塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼです。「塩尻メルロ ロゼ」は「岩垂原メルロ」「塩尻メルロ」の原料ぶどうで作るロゼワインです。赤ワインの香り成分や色は果皮に含まれます。岩垂原メルロや塩尻メルロをより一層、色濃く、香り豊かなワインに醸すために、破砕した果汁からジュースを一部取り出して、量を減らした果汁で発酵・醸しをします。そうする事で果汁に対する果皮の比率が高まって、色濃く、香り豊かなワインになります。一方、取り出したジュースは、もともと高級ワインになる素性の良い果汁なので、そのままオリとともに攪拌しながらワインにすると、色の淡いロゼワインになるのです。それが塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼなのです。
穴子のほっこりとした身に寄り添って、穴子の甘みを引き出します。バルサミコソースのねっとりした甘さにも押し負けない芯の強さがあります。赤ワインの力を隠し持っているロゼならではの相性だなぁと思いました。

3rd

塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼ<br>※フロムファームにブランド名が変わりました。

塩尻ワイナリー
塩尻メルロ ロゼ
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 メルロ

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